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夜啼きの森
 
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夜啼きの森 [単行本]

岩井 志麻子
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商品の説明

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   岡山の北の果て、鬱蒼(うっそう)とした森を囲むように点在した23戸から成る集落。血のつながりが濃く、「夜這い」の習慣も残るこの村で、肺病を病み、徴兵検査にも漏れ、鬱屈した毎日を送る辰男。やがて満月の夜、閉塞した集落の中で辰男は異形の鬼と化し村人たちを襲う…。

   本書のモチーフは、横溝正史が『八つ墓村』でも取りあげた「33人殺傷事件」。第6回日本ホラー小説大賞受賞作『ぼっけえ、きょうてえ』や『岡山女』などで、「岡山」という地を怪談の主要な舞台に設定してきた著者が満を持して挑み、作りあげた身も凍る物語だ。

   精神を病む辰男の叔父・仁平、村一番の金持ちで、村中の女たちと関係をもつ泰蔵の妻・モト、複数の男たちと交情を重ねるみち子、辰男を慕う10歳の治夫、村人からバカにされている虔吉。辰男自身を物語の主役とはせず、殺される運命の村人たちの日常を淡々と積み上げていくことで、著者は辰男という「鬼」を形作る。その姿は、貧困、放埓(ほうらつ)な性慣習、ゆがんだ家族関係といった村人たち自身の業をもあぶりだす。彼らを殺戮(さつりく)するのは、必ずしも辰男ではない。終わりなき日常を象徴する「月」と、因習に塞ぎ込まれた村人たちの妄念を吸い続ける「森」だ。

   推理作家の松本清張は、「33人殺傷事件」を検証した『ミステリーの系譜』の中で「日本の山村のもつ宿命の中に起こった」と書いている。「殺人という異常な反社会的な事態は…周囲の平和的な情景描写の対置によって、凄惨な効果をあげる」という清張の指摘は、本書の恐怖の構造にも通じる。村人たちの平穏な日常が恐怖に転じたとき、読み手もまた彼らが味わった恐怖に出あうことになる。(中島正敏)

出版社/著者からの内容紹介

横溝正史『八つ墓村』から半世紀。現代に甦った伝説の大量殺人事件。

横溝正史「八つ墓村」から半世紀。昭和十三年に岡山県の寒村で起こった犯罪史上類を見ない大量殺人「津山三十人殺し」が、注目の女流作家によって現代に甦る!凶行へと疾駆する殺人者の軌跡を描く渾身の一作。


登録情報

  • 単行本: 318ページ
  • 出版社: 角川書店 (2001/07)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 404873301X
  • ISBN-13: 978-4048733014
  • 発売日: 2001/07
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 562,871位 (本のベストセラーを見る)
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形式:単行本
岡山県の山村、極貧困で濃い血縁関係の村での怨みの成就が殺戮。横溝正史の八墓村でも取り上げられた津山事件を岩井志麻子が彼女らしく、辰夫の心情をこと細かく、時間の経緯とともに写し出している。幼い頃、大好きな姉とともに親戚に預けられ、姉が性的虐待をうけていても、見ていぬふりをする大人のあさましさを知り、貧しさから教育も受けさせてもらえず、潜病質から徴兵制からも落ち、疎外感、劣等感からだんだんと心の中の鬼が頭をもたげてくる。鬼が大きくなるにつれ、周りの人の心の中の鬼もこれに呼応するかのように、加担していく。楽しみは、交わることとでもいいたげに、夜這い、姦通が行なわれる。確かに日本の農村には、明治時代まで、今の倫理観では、推し量れない風習があったのは、確か??。今の私たちには、異常とも思える交わり方だが、時と所がかわれば、これも当たり前なのかもしれない。今の夫婦制度も未来永劫変わらないとは、いえないし、正しいものともいえないのだとも思ってしまう。
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By カスタマー
形式:単行本
読んですぐ、岩井ワールドに引き込まれてしまいました。 舞台となる村の住人全てが主人公ともいえるコノ作品は 読んでいるとまるで自分がこの村の住人になったような 気がしてきます。 主人公の辰男のなんという頭の良さ、 憎しみの力の大きさ・・・人間の闇の部分がさらされた 感じがしてゾっとしました。
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鬼がきた 2004/9/24
形式:単行本
この事件の本は色々読んだことはあったが、この「夜啼きの森」では村人たちの5人のそれぞれの目線から辰男の人物像が見えてくる。そして村人たちはきょうてえことを辰男が近いうちにするだろうということもわかっていてその不安な心理も書かれていてとてもおもしろくてぞっとした。霊界の森という世界に、それぞれ住民たちの思いにスポットをあてていて今までの本になかった観点から読むことができてよかったと思う。
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