角田さんの小説の、独特の雰囲気と登場人物の生々しい感情描写がとても好きで、よく読みます。
この直木賞受賞後初の長編「夜をゆく飛行機」は家族が題材なのですが、同じく家族を扱った「空中庭園」よりも、展開が早くめりはりがあり雰囲気が明るいものになっています。
角田さん自身も、サザエさんのような一家、とインタビューで言っているとおり、ほのぼのとしたサザエさん的な空気が作品全体を包んでいます。
個性的な四姉妹の軽快なやりとりには思わず笑ってしまいました。
しかし、やはり角田さん。共感できる部分や鋭い心情描写は随所にあります。
雰囲気が暗くならないのは、語り手の18歳の「わたし」が割と前向きで一生懸命だからかもしれません。
個人的には、次女の寿子ちゃんがとても愛おしく思えました。
☆4つなのは、角田さん特有の生々しさや胸をえぐるような筆致を期待していたので、少ーしだけ物足りなさを感じたからです。