ある意味ホラーなような。
19世紀のロシア。オリガは父の死を目撃したことから、すでに死んだ人の死の瞬間を見てしまう能力を得た。しかしそんな能力のことを人に話せるわけもなく……。
帯が「親愛なるワケあり副署長さま、私はあなたが嫌いです!」だったのでヒロインはツンデレなものだと思って読んだのですが、ちょっと慎重なだけの普通の子でした。危険を知っているので無茶はしないけれど、知恵を使って人のためにできることはするというかなり良い子。
そしてワケあり副署長さまなのですが、はっきり言って出番は少ない…?
けれど、出るところ出るところで人のよさと育ちのよさと能力の高さを垣間見せてくれるので、チラリズムの美学を味わえるかもしれません。以前、雑誌に副署長視点の話も出ていたらしいので、そちらもぜひ読んでみたくなります。
ヒロインに関わる男性はほかにも無口な御者や婚約者や危険な憲兵などいますが、全員内面のすべてはわからないけれど、ヒロインに見せる表情をすべて追っていくぶんにはいい男ぞろいだと感じます。
文章は書きこんでいるのに読みやすく、事件は単純なようでいて根深い。
ロシアの描写は、特に食べものがおいしそうでピロシキもろもろ食べたくなります。
とりあえず大満足で続きに期待。