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この物語は100%自伝的に書かれているのですが、セリーヌは自らの失態・カルマ・堕落の数々を余すことなく暴露します。いやむしろ、誇大に自らの汚さ、人間の汚さを着色している節さえあり、もちろんそれは悪者になりたいというような子供臭い目的でそうされたものではなく、それが彼にとってのリアリティーであったのであろうと読み手に共感を感じさせる、かなり異質タイプの作品だと思います。不思議と、あまり気分のいい話を聞かされているわけではないのに、読んでいてどっと落ち込むような気にはならず、むしろその人間臭さに手を叩きたくなるような体の物なのです。
まるでフランスのアングラ映画的ストーリーで、例えば日本で言うなら若かりし頃の大島渚タイプの映画監督などがこぞって映画化しそうな美しさで、とくにラストの車中での発砲の場面などは古典的な文学スタイルとは一線を慨しています。この作品を読むと、国内外の幾人かの作家がここからかなり影響を受けていることが見て取れます。公式に公の場で語り継がれるような名作とは対極にありながら、その存在感は決して今後数十年では色褪せないと確信させられます。
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