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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
世の中には、記憶の中を旅することができる人もいるんだなぁ,
By 小原一馬 (宇都宮市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 夜の朝顔 (単行本)
子ども時代の「思い」をリアルに再現するタイプの小説といえば、姫野カオルコの「ツ、イ、ラ、ク」が思い出されるが、これは小学校1年生から6年生に育っていく女の子の連作短編。姫野さんはエッセーで、記憶の中を探り出すと、その世界のリアリティがあまりに強すぎて、現実になかなか帰ってこられない、というようなことを書いていたが、豊島さんもそういうタイプの人なんだろうと思う。そうした自分自身の過去の記憶からのリアリティを描写に混ぜ込みながら描く豊田さんのストーリーは、落としどころを、よくある物語から微妙にずらしてきて、それがなかなかに心地よい。ただし表題作でもあるラストの「夜の朝顔」はちょっときれいにまとめすぎで、そこまで築いてきた雰囲気を少々壊してしまっている感がある。僕が一番好きなのは「だって星はめぐるから」。学校のクラスメイトのいじめの話と、自分の妹との姉妹愛的な話が、不思議につながる感じがいい。
10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
暗い出来事も,
By
レビュー対象商品: 夜の朝顔 (単行本)
同じタイプの作品としては森絵都さんの「永遠の出口」がある。その作品が好きな人はこれもきっと気に入ると思う。ただし、夜の朝顔はちょっと暗い話が多い。いやな思い出や小さな頃に子供ながら親に遠慮してしまうといったような感情がうまくつづられている。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
思い出には残ってない、でもたしかにあった記憶のカケラ,
By
レビュー対象商品: 夜の朝顔 (集英社文庫) (文庫)
子供のころのことを思い出したときに、まっさきに浮かぶような思い出深い出来事ではなく、記憶の奥底に沈んでしまっているような小さな小さな出来事もある・・・。 この本はひとりの少女のそんな出来事を丁寧に描いた物語です。 クラスの中心にいるわけではなく、 他の女の子たちに比べると恋やおしゃれに目覚めるのも遅くってゆっくり自分のペースで歩いている子。 嫌われているわけじゃないけど、なーんかそのことで他の子たちにからかわれてるような気がしてる子。 こういう女の子にスポットを当てるのが豊島さんらしくて、 はたして彼女がどんな子供だったのか・・・簡単に想像出来ちゃいますよね 大人になった今、 子供の頃なんて悩みも心配もなかったように思えるけど、実際はそうじゃなかった。 大人が「なんだ、そんなこと」って思うようなことにも必死で必死で悩んでた。 大人は自分でなんとかできるけど、子供には自分ではどうしようもできないことが多すぎる。 もしかしたら私たち、今よりも子供の頃がずーっと深く悩んで、一生懸命生きていたのかもしれないなぁ。 あとがきによると、豊島さんはあのころの記憶をしつこいくらいに覚えているらしい。 少なくとも私よりは豊島さんの方が子供心は理解してそうですね(苦笑) あの頃の自分に会って、話を聞いてみたくなる・・・そんな優しい気持ちになれる本でした。
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