坂木司さんらしい生真面目さが好ましい作品。
クールで馴れ合わない高校生4人が主人公の連作短編集。
家庭が戦場の体の彼らには(ひとり、ゲージだけはその限りでないが)
現実に潰されずに生きるには、自分の行く道を自分の手で切り開くため、
闘い続ける必要があった。
スパイとしてそれぞれのミッションをこなす天文部員。
つるまないが、お互いを認め合い、離れて光る星のように
存在しあう。
学園ものらしい小さな謎も各章で絡んで、それぞれのキャラクターが
一章ごとに引き立って読み飽きない。
お互いを理解しあえない家庭の無惨さ。だれかひとりだけの力が突出して
傾き、沈みかけている家の危うさ。
そんなものを背景に、精一杯自分の未来を信じる彼らが眩しかった。
「誰かを特別にするのは、その人を特別だと思う人の存在。」という
ことばにじんとする。
まだまだ、潜行中の彼ら。ひそかにエールを贈る。