でもいつものフロスト警部のこと、一貫した捜査方針などこれっぽっちもない。ただわめいて、走り回って、勘を頼りに強引な捜査を続けるのみ。しかしこいつが犯人だと確信したのもつかの間、強力なアリバイが見つかって、また一からやり直し。だがここでくじけないのがフロストのいいところ。ただし一緒に振り回されるギルモアはたまったものじゃない。奥さんには愛想をつかされ、かぐわしきアフター・シェイブ・ローションは同僚からバカにされ、事件を解決したと思いきや、手柄はほかの刑事のものとなる。上司に恵まれないとひどいことになるという、まさに典型。
ところが妙なことに、てんやわんやの大騒動もいつしか犯人が捕まってめでたく終了。とても普通では考えられない解決を見るのだから、やっぱりフロスト警部は天才なのか。いや、単に運がよかっただけというのが、真実だろう。『クリスマスのフロスト』(原題『Frost at Christmas』)、 『フロスト日和』(原題『A Touch of Frost』)に続いてのこの作品、大いに楽しんだ。まだ未訳の作品が2つある。早く読みたいものだ。それにしても大手柄は訳者の方。罵詈雑言、エッチ満載のセリフを、実に見事に訳している。ぜひご尊顔を拝したい。(小林章夫)
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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ワンパターンもこれだけ中身があれば,
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レビュー対象商品: 夜のフロスト (創元推理文庫) (文庫)
フロスト・シリーズも三冊目ともなれば、もうすっかりおなじみのキャラクターやシーンがいくつも登場する。そういうものを楽しめるかどうかがこの本の印象を左右する。とはいえ、これだけ次から次へと事件が起こって、それに――かなり強引とはいえ――最終的にはすべて解決をつけてしまうというのは、このシリーズの特徴だろう。フロストという愛すべき主人公の他にも、デントン警察署のいつもの面々の描き分けもきっちり行われていて読ませる。 ミステリとしては長い小説だが、最後まで飽きさせずに読ませる。
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
格好悪さの中のカッコ良さ,
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レビュー対象商品: 夜のフロスト (創元推理文庫) (文庫)
1作目の「クリスマスのフロスト」、2作目の「フロスト日和」に続く、3作目。モジュラー小説(次々いろんな事件がごちゃまぜに立て続けに起こるタイプの推理小説)の決定版。 本作では、流感が流行っていてデントン警察も非常な手不足。 そこにいつも以上に事件がひっきりなしに起こります。 毎回フロストの直属の部下が代わるのも本シリーズの見所ですが、今回は新任の部長刑事ギルモア。 結婚したての上昇志向抜群の若者です。 事あればフロストの失敗をネタにマレットに取り入りそうな彼も、絶望的な手不足の中フロストに手足のように使われます。 睡眠時間もろくろく取れないまま事件解決に奔走していくうちに、フロストとも息があっていくような、いかないような。 絶望的な中、救いになるのがフロストのユーモア(下品なジョーク)。 事件の方も、対マレットも、ますます苛烈に、複雑に、 最後まで気を抜けません。
9 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
これまでの3冊の中ではイチオシ,
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レビュー対象商品: 夜のフロスト (創元推理文庫) (文庫)
既刊2冊も楽しみましたがこれが一番笑えました。 下品で馬鹿馬鹿しい中にも 本国イギリスではドラマ化されているそうですが 毎回、主人公フロストのもとにつく(つかされる)ワケありの男性達は 推理小説にしては厚いですが
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