キャラヴァンの最高傑作であり、70年代ブリティッシユ・ロック、プログレシブ・ロックの中でも屈指の作品。必聴。その魅力は、ライナー・ノーツで立川直樹氏が語り尽くしている。恐らく聴いてみないと、いくらその素晴らしさを説明しても理解されないだろう。キャラヴァンの作品の中でも異色な点は、演奏にスリルとスピード感があり凄く「ロック」している点だ。Pye Hastings の guitarもいつに無くハードなプレイをしているし、Richard Coughlanのシンプルながら、貯めのあるdrums、John G.Perryのbassも実にいい音を出している。イギリスのカンタベリー屈指のキーボードプレイヤーDave Sinclair もアープsynthesizer他の新しい音を出している。そして素晴らしいのがGeffrey Richardson のviolaである。violaという楽器をこんなにかっこよく取り入れた作品は他に無い。(彼は後にペンギンカフェ・オーケストラで名を上げた。) プロデューサーがCAMELやルネッサンス、GENESISの名作を作り上げたD.ヒッチコックだ。他にもルパート・ハインやポール・バック・マスター他の大物まで多数参加している点も名作になる要素になっている。とにかく緩急自在に繰り広げられるキャラヴァンの音世界に一度はまり込んだら抜け出せなくなる。作品のテーマは「英国田園生活における愛」といったところか。
ボーカル・パートも割合は少ないが、素晴らしいハーモニーを聞かせる。アルバムのラストに感じる高揚感も、GENESISの「FOXTROT」やYESの「危機」に匹敵する。「8.メモリー・レイン、ヒュー|ヘッドロス」以下のボーナス・トラックは資料的には面白いが、いかにも完成前のデモという感じだ。