本書は多発性骨髄腫について、一般のかたにも十分に理解できるよう親切に作られ、かつ最新の治療まで解説された良書だ。一般内科医ではついていけないレベルで、患者さんが専門医の説明を受けたときの理解の助けになると思う。最近、この分野の進歩は目覚ましく2008改訂版が出版されたことがうれしい。しかし、本書で紹介されているサリドマイドはいまだに現場では使えない状況だ。被害者団体の圧力なのか、複雑な登録や産科医がいなければ実質使えないようになっており、多くのがん拠点病院などでも使用できるところは限られるだろう。(がんセンターに産科はない)多発性骨髄腫の患者さんの多くが60歳以上で妊娠する可能性も、させる可能性もないのに、いつでも中絶してくれる産科医がいなければ処方させないなど、まったく病気をしらない机上の空論でしか医療を扱えない厚生官僚たちの馬鹿どものせいだ。骨髄腫の患者や家族、現場の医師は断固、反論すべきである。相変わらず海外に行かなければ移植もがん治療もままならない医療後進国である。