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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ハクスリー入門かつ片桐ユズル入門として良著,
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レビュー対象商品: 多次元に生きる―人間の可能性を求めて (単行本)
ハクスリー自身はずいぶんと勉強をした人で、その豊かな知識からいろいろな事例を引いて説明をしてくれる。が、いわゆる論文ではないこの本の性質上、事例それぞれについて詳述しないので、たとえば「博物学者にとってはおなじみのことですが」というように言われて、納得がいかなくてもとりあえず事例についてはいったん受け入れて読んでいかねばならない箇所が散見されるのが、やや残念。だが、それはさておき、ハクスリーの洞察には、すばらしいものがあると思う。この本では、その洞察を、こんどは論文でない故に易しく俯瞰できる。あえて文脈を無視して引用をしてみる。 「ひとは緩むより緊張する方が好きなのです。(p.20)」 「知識はいつも概念のかたちになっていますから、ことばとか他のシンボルによって伝えることができます。さとるということは概念のかたちではありませんから、伝えることができません。(p.64)」 「単純化しすぎ、一般化しすぎ、抽象のやりすぎの三つの罪は、知識と知識もどきをさとりと同じに取り違える罪と深く関係しています。(p.68)」 これらの言葉は、これまで僕がうまく言葉にできなかったことをきれいに言い当ててくれていると感じられた。 出会い方が悪いと、良いものであっても、その意味を味わうことは難しくなってしまうが、ハクスリーの思想を平易な言葉で翻訳しているのは片桐ユズルである。訳者によるあとがきや付録の説明からも、訳者の思想や活動がハクスリーの思想と符合していることがよくわかり、この事実もなかなか興味深い。 冒頭にあげた「残念さ」は、まあ読む側の問題だと思うが、もうひとつ残念なのは誤植が多いことである。ざっと読んでいるだけで5カ所ほどあった。ので星4つで。
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
善良について,
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レビュー対象商品: 多次元に生きる―人間の可能性を求めて (単行本)
ハクスリーのこれらの文章が、日本語に訳されて、1冊の本として出版されていること自体が、感動的です。本の大きさと、軽さと、紙質がここちよい。 多次元が同時であること、が、わたしだ。 単純化しすぎ、一般化しすぎ、抽象化しすぎることなく、ことばとか文化といったことがらの、すきまに広がるこまやかな世界に注意をはらい、 「わたしたちのからだとってよいことは、善いことだ。」と教えてくれる、善良な本だと思います。
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5つ星のうち 5.0
はじめはひとつひとつの言葉をとらえて、考えながら読んでいたのですが、,
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レビュー対象商品: 多次元に生きる―人間の可能性を求めて (単行本)
ああ、この先生はいくつかの次元から「今」を俯瞰していたのだな。言葉が揺るがないのはその証だ。 そう思うと、すべてが違って見えてきた。 「たぶん必要なことは、(中略) シンボルを扱うことと生きることを同時に経験し、概念とか思想のつくられ方がわかることです。」 と説いているが、それどころではない。 この先生は自在に時間空間をまたぎながら「今」を見ている。 (不思議だ。古びないのだ、そういう「今」は。むしろ時間のほうが追い越せていないように見える。) 今、こうして私たちはフィードバックされていて、 そこには、深い愛情が、静かに満ちています。 それを、少しずつでも、感じとってゆきたいな。 (ただし、強制的に楽しませられることに慣れている人には、あまりおススメできないかもしれません。)
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