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多情多恨 (岩波文庫)
 
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多情多恨 (岩波文庫) [文庫]

尾崎 紅葉
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

多く人を好かぬ,多く人に好かれぬ鷲見柳之助にとって,妻は命でもあった.その最愛の妻を亡くし悲嘆にくれる鷲見は,最初ひどく嫌いであった友人の妻に深切にしてもらううち,まめやかに夫の世話を焼くその姿にひかれるようになる.朴訥な男が情をかけてくれる人物に傾いてゆく過程を描いた,紅葉の代表作.(解説=丸谷才一)

内容(「BOOK」データベースより)

人付き合いの少ない鷲見柳之助にとって、妻は命でもあった。その妻を亡くすと、彼は最初ひどく嫌いであった友人の妻が夫の世話を焼く姿に惹かれるようになる。誠実朴訥な男が情をかけてくれる人物に傾いてゆく過程を描いた、紅葉の代表作。

登録情報

  • 文庫: 432ページ
  • 出版社: 岩波書店; 改版 (2003/4/16)
  • ISBN-10: 4003101472
  • ISBN-13: 978-4003101476
  • 発売日: 2003/4/16
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 381,947位 (本のベストセラーを見る)
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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By renaissance VINE™ メンバー
形式:文庫
主人公、鷲見柳之助は最愛の妻を亡くしたばかりで、悲しみに沈んで泣いてばかりいる。この泣きようが人並み以上で、現代の我々から見てもかなり変。しかし、まじめ一徹で偏屈で頑固で陰気な彼にも朋友がいる。

その朋友の葉山誠哉が実によい。終始明るく、偏屈の主人公の言動にも許容し、時にまじめに意見し、時に冗談っぽく引き立てて、この小説はほとんど葉山のキャラクターで持っているようにも感じる。葉山と鷲見のやり取りを読むだけでも楽しい。

文体は言文一致体です。「金色夜叉」は文語調でややとっつき難い感がありますが、この「多情多恨」はぐっと読みやすいです。当時としても言文一致の初期の頃だと思いますが、無理なく自然で洒脱です。紅葉の文章力の冴えがあります。
明治中期の世俗・人情が楽しめる一遍だと思います。傑作。

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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 『多情多恨』のなかで女性の衣装を描写するところがいくつかありますが、紅葉は実に細かく描写しています。このあたりは西鶴の衣装描写にそっくり。さすが硯友社が元禄文学を手本にしただけあります。また主人公の柳之助が亡き妻を偲んで涙に暮れるのは『源氏物語』の影響だといわれていますが、なるほど、柳之助は泣き通しです。いつも泣いている。

 私は読んでいて、泣いている柳之助よりもむしろ、柳之助の無頓着さ、ずうずうしさ、その友人葉山の寛容さ、そして葉山の妻お種の時に優しすぎる態度にイライラさせられました。

特に柳之助。この男は私に言わせれば実に図々しい男です(笑)。そして実に無頓着な男です。友人の家に住み、それまでは大嫌いだった友人の妻お種の優しい態度に接するうちにいつしかその妻に恋心を抱くのですが、自分ではそれに気づいていないようです。

亭主が出張でいないときに「いつまでもやっかいになりたい」とか「病気でもしたら貴方にお世話してもらうつもりです」と言ったり、「お種さんが自分の寝付くまで枕元についていてくれるなら満足であろう」などと願ったり、腹が立つほどずうずうしい。亭主が出張中、柳之助が悶々として眠れず、ついには夜中にお種の枕元へ忍び込むにいたっては「柳之助、おまえなんちゅうやっちゃ!行動する前に回りへの影響を考えんかい」と小説の中の柳之助に怒る私でした。そう思って読んでいるところへ、あやしいぞと危険を察知した舅が登場したときにはほっとしたりして。

 明治29年。日清戦争に勝利して軍人が威張っている時代に紅葉はこの小説を書いたんですね。当時にしてはめずらしい口語文で書かれていますから読みやすいです。

ところで、この話に続きがあるとしたら、その後どういう展開になっていったんでしょうね。読者の想像をかきたてる終わり方です。

また、関係ありませんが岩波文庫の表紙のデザイン絵が艶やかです。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 妻を亡くした男の嘆きを描いたもので、紅葉は『源氏物語』を読んでこの作の構想を練った。この後「金色夜叉」があるわけだが、これは通俗に堕している。これが紅葉のものとしては最高の作であろう。なんで品切れなんだ。
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