回帰分析や相関係数という基礎編からスタートしますが、主成分分析、因子分析、判別分析のほか、SEMやバリマックス回転、マハラノビスの距離・・・などなど、入門書にしては盛りだくさんです。まず、エクセルのソルバー機能で解答する方法について説明し、そのあと数学的に説明する、という流れになっています。ただ、数学的にはとてもややこしいところではあるので、詳細については付録に回されています。付録が結構厚い。
行列式がバンバン出てきます。行列の基礎知識がなくても、ある程度はその考え方の雰囲気を掴むことはできると思いますが、行列の知識があるに越したことはないです。涌井さんの本が優れていると思うのは、「・・・法」はどういうものなのかをコンパクトに定義したあと、それを具体例ですぐにフォローしてくれることです。また、数学的に、どういう思想のもとにこういう計算方法が編み出されたのか、というところについても明快に述べてくれるのでとてもわかりやすい。
もちろん、数学的にはとてもややこしい(というかゴチャゴチャしやすい)分野なので、ちゃんと理詰めで納得しようとするならある程度の数学的素養はどうしても必要です。式から式への展開の流れはおおむね明快ですが、SMC法の説明の一部に、その情報(数値)はどっから出てきたんだっけ・・・と個人的にはよくわからないところがありました。誤植も少々。ただ、それを考慮してもわかりやすい良書だと思います。