急激な地盤沈下にある日本企業を横目に、華やかに映る外資企業の日本での実態を、B2B企業の代表とも言えるIBM、オラクル
そして時代を担うB2C企業Appleの経営者を歴任した著者が語る力作。
一見、外資企業と日本企業の業務比較や外資企業への就職指南に見えるが、世界で行われるビジネススタンダードと、
日本基準との違いを、明確に浮き彫りにするビジネス論である。
その多くは、悲しきかな成熟期から停滞期に向かう日本が、如何にその流れについていけない状態となったかを指し示す。
日本を牽引する企業であるユニクロや楽天がグローバル化推進に向けての施策を昨今掲げるが、その流れは海外のビジネスでは当たり前の基準であったのが分かる。
そして、この流れは止められない。
つい、日本悲観論的に流れがちだが、他方において、外資企業にいたからこその、次の日本への可能性も示唆している。
日本企業ならではの堅実な人材の育成、お手本となるアジア企業を取り込み、グローバル企業の急成長に潜む激務や競争の暗部を踏まえた上で、
将来を担う20代、30代のビジネスパーソンに、既定路線ではない自分で模索する働き方を問う。
経済先進国から後進国にまで落ちこぼれそうな日本において、世界基準で動く外資企業で働くことにより、その効率性、生産性、コミュニケーション法を身につけ、
その中で「外資業界ジゴロ」や「お勉強ちゃん」とならない日本発の新生ビジネスパーソン創造の一助となることこそが、著者の思いではないだろうか。