元銀行マンが解説した貿易金融を中心とした貿易実務に関する書物である。非常に分かりやすく、平易な文章で書かれており、貿易実務のうち金融関連の解説が充実している。これは、本書のターゲットの読者層に関係する。想定する読者が貿易金融に従事する銀行マンであるためである。しかし、それ以外の人でも、貿易の仕組みを理解するには、良い解説本といえる。
本書の前半は、信用状や輸入ユーザンスなどを取り上げ、貿易実務に直接従事していない人にも理解できるよう、簡潔に貿易の仕組みを解説している。
後半は、銀行マンと中小企業の社長の対話形式を通じて、貿易金融の要点を解説している。本書前半に記載のない専門用語もでてきて、その都度、解説が加えられている。
巻末に、貿易実務の問題が少しだけ付いている。本書の内容を理解する助けとなるものである。
本書には、索引が付いていない。これは、非常に残念である。専門用語の意味を確認したい場合、どの頁に記載があったいちいち探さなければならない。改訂版が出るのであれば、是非、索引はつけてほしい。(2010/8/31)