今やアメリカを抜いて世界最大の経済圏になっているEUが外国語の学習・教授・評価につき域内共通の指標として使っている枠組みをまとめたものです。イギリス政府も就労ビザの申請者に求める英語能力の基準としてこの参照枠を提示しているぐらいで、今や世界基準と言っても差し支えない指標です。とかく、6段階評価になっている能力判定表ばかりが取り上げられますが、本書では、コミュニカティブな言語の運用がどういうものであるかが詳細に記述されており、わが国の英語教育関係者、特に大学の英語教員がこぞって買ってもおかしくない性質の本です。そうであるのに、みなさん特別関心がないところにわが国の英語教育の本質的問題点があるように思えます。星を一つ落としたのは、訳をもっと工夫し、私のようなごく普通の人間にもわかるようにしてもらいたかったからです。装丁も学術書を気取っているのか、ゆううつです。内容が秀逸なだけに惜しまれます。