外国語を使えるようになりたい、「ネイティブ並み」とはいわなくても、口頭であれ、文章であれ、引け目と緊張を感じずに外国人とのコミュニケーションができるとよい......と思う人の多さは、数々の学習書や(とりわけ英語の)語学学校、学校での早期教育をめぐる論議からも明らかでしょう。そして、なかなかうまく行かないことにがっかりする人も、かなり多いはずですね。
そうした学習のための各種のメソッドや「コツ」は、果たしてどれだけの科学性を持っているのでしょうか。「日本人は外国語が苦手」「やはり子供のうちからでないと」「どうしても必要なら何とかなるんじゃないか」といったことも、何となくそんな気がする、という印象の域を出ていません。
本書が紹介する「第二言語習得(Second Language Acquisition = SLA)」論は、比較的新しく、1960年代に始まった研究分野です。言語学、心理学、認知科学などの成果と連携しながら、「外国語を身につける」という現象を科学的に解明し、ひいては効率的な外国語学習の方法を導き出すことを課題とする、実践的な要請の強い学問分野だといえるでしょう。日本では特に英語教育・日本語教育の実践者、研究者に注目されています。
著者はこの分野について、もっとも先進的な位置にある研究者の一人ですが、読みやすく、どこかユーモアさえ感じられる語り口で、第二言語習得理論の成果を一般向けに紹介し、それを生かした実践面のヒントまでを提供しています。あわせて、外国語教育・日本語教育に志す人たちにとっても信頼できる入門書となるように工夫をこらしました。
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34 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
幅広い読者層が期待できる外国語学習の一冊,
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レビュー対象商品: 外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書) (新書)
米国ピッツバーグ大学で応用言語学を教える著者が、外国語習得の諸研究を紹介しつつ、外国語の効果的な教授法・学習法を考察する一冊である。本書は外国語学習に関する諸研究を概観するため、専門的な内容を取り扱う。しかし、背景知識のない読者を想定してわかりやすく書かれているため、外国語学習のメカニズムを知り、自らの学習に役立てようと考える読者にも非常に有意義な内容となっている。 なお、内容的に重複する部分もあるものの、同著『外国語学習に成功する人、しない人』を併読すると、より外国語学習に対する理解が深まるだろう。
41 人中、33人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
外国語学習の性質と方法に科学的に迫る,
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レビュー対象商品: 外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書) (新書)
「ことば」というのは身近なのものだけに、臆説や俗説など、無責任な言動がはびこりやすい。「○○語は日本語の起源」だといった類のものをはじめとして、「外国語学習にはこんな方法がいい」「この教材がよい」など、巷間にかまびすしいものが多い。しかし、本当に科学的な裏付けがあるものは少ないばかりか、粗悪な商業主義に基づくものが多い。もちろん、誠実な研究者による外国語学習のメカニズムの研究の蓄積はあるわけだ。本書はその研究成果にもとづき、誠実に学習者の疑問にこたえていく。重要語句は太字で示され、参考文献もしっかりしている。大学等の教科書・入門書にはぴったりだ。 もちろん、「誰でもこの方法ですぐにペラペラ」などということはないが、間違いのない、確実な語学学習の方法を示してくれる本だ。知的に誠実な一冊であるといえ、好感が持てる。
41 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
習得の鍵は、インプットとアウトプット 英語に苦労した経験を持つ大人がわだかまりを解消できる良書である。子を持つ親も参考になること間違いなし,
By sachiko (埼玉県さいたま市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書) (新書)
タイトルがかなり堅いものなので、外国語言語論の専門書なのかと予想したが、読み進めると外国語を学習したことのある一般の読者であれば、理解できるレベルの良書である。まず、本の構成が、わかりやすい。プロローグでこの本で読者に伝えたいことが平易な言葉でかかれているところがよい。「外国語を学習するという非常に身近な現象について全体像がつかめ、より客観的、科学的な見方ができるようになる」という点について期待しながら読み進めた。英語の特性と日本語の主語があまりない表現、自発的に物事がおこっているような文章を好む点は、ぼんやりと分かっていたことが整理された感じである。 適性と動機づけ、習得の鍵は、インプットとアウトプットこれが、本書の伝えたいことであろうか。 非常に読みやすいながらも、著者のこれまでの研究の一端を紹介しながら、また、ユーモアを織り交ぜながら話が進んでいく。筆者は公立高校の英語教師をへて現在米ピッツバーグ大学で教鞭をとっているとのことで、その経歴も興味のあるところだ。 まるで、大学の英文科の言語学の講義を聴いているかのような錯覚におちいいる。 読み終えると、アカデミックなものに触れた感じがして、とても気分が良くなる。 多くの日本人の大人がそうであるように英語で苦労した経験を持っている私だが、そのわだかまりを自分の中で整理できたようだ。 今後、英語を学ぶ子供を持つ親としても大変参考になった。知人に勧めたくなる一冊である。
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