本書は、外国語で発想するための前提になる技術を学ぶための本です。
外国語で発想するために必要な技術、本書によればそれは「読書技術」です。この読書技術というものはテクストを分析し、解釈し、批判するための技術で、ヨーロッパでは国語の中心的課題として取り扱われているものですが、日本の国語教育ではまったく抜け落ちているものです。この読書技術によって、ヨーロッパでは文章や対話の内容を分析的に考察し、議論することによって発見し、意見交換することができるようになっています。逆に日本ではこれらの技術が身についていないために、日常的に分析的な思考ができず、表層的なイメージで会話が終始する傾向にあります。
本書ではこの読書技術を身につけるために、絵やイラスト、詩や童話、小説を実際に分析してみます。読みながら分析してみると、いくら短い文章であっても、もしくは絵画であってもそこには様々な情報が詰め込まれており、それを展開することの意義がいかに大きいかを思い知らされます。グローバル化が叫ばれて久しい今日。多くの日本人が、外国語、または日本語でもコミュニケーションをする時代になっていますが、有意義なコミュニケーションを楽しむためにも、本書のスキルは欠かせないものだと感じました