全国5つの刑務所に服役中の40カ国以上からなる外国人犯罪者2165名からアンケートを取った結果を元に日本における外国人犯罪の実態を分析をされている。アンケートそのものは非常に貴重で興味深いものもある一方、一体それらのアンケートにどれほど信憑性があるのか甚だ疑問であり、その結果から導かれた論理展開が不十分な点もいくつか目に付いてしまう。
例えば、P166にある「日本の死刑制度には犯罪抑止効果があるとは考えにくい」に関しては論理に説得力が欠けており、またP176の「正直者は損をする社会か」というアンケートは何の結論をも見出していない。
著者が本著で最も言いたかったことは多文化共生社会の実現ということになるのだが、外国人の犯罪はますます増える一方でありどだい無理な話であり、特に中国人への観光ビザが緩和されている現状から見るに今後ますます我が国における彼らの犯罪は増していくと考えるのが定説であり、移民政策を含めて再議論をするという見方が当然ではないか。
著者が提案する「外国人犯罪者の本国への移送」は外国人スパイが増える温床を増やすだけであり、これによって外国人犯罪が減るわけでもない。結局何が言いたかったのかが不明であり、個人的には読後感が非常に悪かった一冊。