昭和五十年頃を舞台に傑作「麻雀放浪記」のその後を描いた短編集。「外伝」とあるので、「麻雀放浪記」の登場人物達の隠れたエピソードを並べたものかと予想したが、作者の狙いは別の所にあったようだ。色川武大名義の作品も一つ入っている。
ドサ健なども出てくるが、「麻雀放浪記」の"読む者に手に汗を握らせる膨大なエネルギー"は感じられず、むしろ坊や哲(=阿佐田哲也)の当時の枯淡とした雰囲気(=生き方)を感じさせる出来となっている。勿論、麻雀を初めとする勝負の世界が物語の背景にあるのだが、「麻雀放浪記」のように"読む者の血を滾らせる"ものではなく、さりげない描写の中に勝負の綾と厳しさを滲ませるという体裁になっている。
当時の阿佐田さんの年齢に相応しい渋さを感じさせると共に、勝負の業をあくまで追求した阿佐田ファン必読の短編集。