久しぶりの外人部隊関連本である。本書の出版に先立ち雑誌SAPIOとニュースJAPANで著者の手による外人部隊取材結果が紹介されたが、空挺連隊と歩兵連隊とを誤記した記事や、第二外人空挺連隊長へのインタビューにおけるフランス語の2時間と12時間を聞き間違えるといった(本書中では訂正された)著者の片言フランス語を目の当たりにし、不安を感じながら本書を手に取った。結果、第1章の最初のページがら首をかしげることとなった。衛兵に対し発せられるフランス語の「ガルダブ」を「敬礼」を意味する合図と本書にあるがこれは単に「気をつけ」の意でしかない。さらにページを読み進めるとケピ・ブランをかぶった50KMの行軍とあるが、それは入隊4週間後に(ベレー帽をかぶった)行軍を行った暁に初めてケピ・ブランをかぶる権利を得る名高いケピ・ブラン行軍のことではないか。
本書に頻出する誤訳や不適切な訳語のについての指摘はこのへんで止めておくが、その他「といわれている」という(事実と異なる)噂話をそのまま書いた部分も多く、ジャーナリストの本分である「裏」を取ることを全く怠っていると言わざるをえない。なぜ、このような本が出来上がってしまったのか。著者が軍事を専門としていない事、著者のフランス語能力に問題があった事、取材前後に資料に当たることを怠った事などが大きな原因であったことは明らかである。
繰り返して言うが久しぶりに出た外人部隊関連本なのである。外人部隊に関する最新情報を得たいと思って本書を手に取ったものに対する罪は大きい。著者は現在イラクで行方不明となっている齋藤昭彦氏についての本を執筆中とのことだが、本書に登場した日本人部隊兵に原稿に目を通して貰うなりして間違いを減らすようにされてはどうだろうか。