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外交官が見た「中国人の対日観」 (文春新書)
 
 

外交官が見た「中国人の対日観」 (文春新書) [新書]

道上 尚史
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

沈む欧米諸国、日本をよそに経済的大躍進を続ける中国。我々は「中国はいい加減な国だ」とあら探しをして安心してはいないか?中国には自慢もあれば、自制もある。元中国公使が見た、聞いた「新しい中国」の姿。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

道上 尚史
1958年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1983年外務省入省。ソウル大学で韓国語を学び、ハーバード大学で修士。在ジュネーブ代表部、在韓国日本大使館(政治部)、本省経済局課長等を経て、2007~09年在中国日本大使館公使(広報文化センター長)を務める。韓国と中国を肌で知る、外務省有数の東アジア通。上智大学非常勤講師として「日本外交の諸問題」を講義。現在は内閣官房で勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 221ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2010/08)
  • ISBN-10: 4166607677
  • ISBN-13: 978-4166607679
  • 発売日: 2010/08
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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28 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By mfhty トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
 あたりまえのことかも知れませんが、中国にも、
 ・中国や日本を客観的にとらえ理性的に判断できる人、
 ・日本をきちんと評価し自らの成長の糧とできる人、
 ・アニメなどをはじめとしたジャパン・カルチャーに心酔する人、
が存在します。
 本書は、上記のような見方を含め、中国メディアや中国の人々の様々な「対日観」を紹介しています。
 ともすれば、サッカー競技場での無礼きわまる態度や、反日デモなどが映し出される日本のメディアばかりみていると、中国人全員が非理性的な反日観を持っているように感じ、ひいては日本人も極端な中国嫌いになってしまいがちですが、本書を読めば「少し理性的になって中国や中国人をみよう」「中国のよいところにも目を向けよう」という気になります。感情的な中国観を冷まし、理性的に考えることの重要性を思い出させてくれる本です。
 その面では、多くの人に読まれるべき貴重な本と思います。

 ただ、この本は、次の要素があり、完全に「中国人の対日観の縮図」と言えるかどうかはやや疑問な面もあると思います。
 ・著者は中国大使館公使(広報文化センター長)として勤務しており、本書に登場する人物も、知識階層であったり、一流大学の学生だったりで、知的階層中心である。
 ・2007年〜2009年当時は、中国政府の対日姿勢がやや和らいだ時期であり、そのような政府の方針が影響を与えている可能性がある。
 ・一般住民へのナマの取材はほとんどなく、メディアやエリート層の意見を中心に構成している。

 なので、この本を読んで「中国人の理性的判断に全幅の信頼をおこう」などと考えるのは全く危険と思います。
 たぶん、「日本メディアで登場する反日感情をもつ中国人」と「この本で記述されている理性的中国人」のどちらも中国に存在し、どちらも真実なのでしょう。
このレビューは参考になりましたか?
20 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Victor
形式:新書
タイムリーな題材にひかれ書店で買い求めましたが、日本のメディア報道では分かりにくかった中国人の対日観が大分把握できて非常に参考になる本でした。ただし、「第二章 中国の知識人たちとの対話」には著者の見解に首を傾げたくなる部分が多々あります。例えば、著者は日本のメディアが権力を牽制する優秀なメディアであると主張していますが、記者クラブを通じて実質的に権力者(官僚)にコントロールされている日本のメディアの問題を中国側の識者が知らないとでも思っているのでしょうか。また、中国の大学が日本企業の経営手法に興味を示さないことを著者は批判していますが、私が10年以上前に留学した米国のビジネススクールでも既に日本的経営についての興味は、品質管理(QC)など狭い範囲に限定されてました。悲しいですが、中国側識者が反論した内容が日本的経営に関する海外の評価を表しています。もちろん、著者は広報担当の外交官なので、本質論よりも日本をPRすることが職務上重要なのは理解できるのですが・・。こうした欠点も若干ありますが、それを差し引いても十分に読む価値のある良書だと思います。
このレビューは参考になりましたか?
12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 著者は本物の現役外交官なのだろうか?クビになっていないのだろうか?
 読み進めるうちに、現役の外交官という立場でここまで書いても大丈夫なのだろうか?と心配になってきた。そこの本音を知りたいんだよ!と突っ込みたくなるところもあったが、ぎりぎりのところまで書いたのだろうと、その苦労がしのばれる。

 本書が、最近の日中問題を考えるにあたって、必ず読んでおかなければならない一冊であることは間違いない。マスコミの論調に踊らされず、中国を理解したいと思うなら是非とも読んでほしい。

 というのは、矛盾を抱えながら中国はなぜ伸びるのか、その秘密が本書を読んで初めてわかった気がするからである。新聞・TVには絶対に登場しない中国の新しい事情やエピソードが面白く、一気に読んでしまった。中身の中国の情報は豊富で、日本のあり方もじっくり考えさせられる良書だ。

 インターネット、学生、メディア、愛国心の世代別分析と切り口は広い。外交官としての著者は、中国の手ごわい識者相手にしっかり主張もしてくれるようだ。ビジネスやメディア、政治や歴史、中国の日本観を語りあう。しっかり批判もするし、耳も傾ける。真正面から意見を交換する著者の姿勢は公正でまっとうだ。

 中国はグローバル化を世界中で儲けるチャンスととらえ、国をあげて人材育成する。
 残念ながら、日本はアジアの進化発展から目をそむけ、世界での切磋琢磨から遠ざかっているとしか思えない。自分の経験から見ても、対外ビジネスの積極さや若い人の向学心は、中国の方がはるかに上だ。そこをごまかし、マナーだ環境だ格差だと唾を吐いても、日本は得をしないどころか、どんどん取り残されてしまっている。

 外国での公平で積極的な対話は、あたり前に見えても、簡単にできることではない。何を言っても挙げ足をとられやすい外交官という立場にありながら「よくここまで食い込み、発信してくれた」と思う。ぎりぎりまで追求したのではないか。狭い意味の中国屋でなく、いろんな国、分野で経験豊富な著者の強みが随所ににじみでている。

 現政権が主張している「政治主導」はよいのだが、この著者のように訓練された優秀な実務者を排除して、情報収集も日本発信も経済交渉もないはずだ。専門知識のないポピュリズムがはびこるのは最悪だ。現場レベルの地道な積み重ねと食い込みがあってこそ、戦略がある。それは私たち民間のビジネスマンもお役人も同じことではないだろうか。政治家が、本当に力を持った役人を活用することが「政治主導」であって、役人を排除することではないことを確認したい。

 内容に不満がないと言えば嘘になるが、成長を続け世界の主導権を握ろうとしている中国を知り、日中問題を真正面から考えるための一冊として必ず読んでほしい。また、この著者の「日本外交官、韓国奮闘記」(文春新書)も併せて読むと、日本の現場の外交官の姿がよく理解できるのでお薦めだ。
 
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