五代後梁の初代皇帝 朱全忠の青春時代を描く。
仁木先生の著作はまだ少ないが、その中でもひときわ文章が難しいように思った。
とくに人物名は生まれて初めて目にする漢字が多く、漢字に抵抗のある人は難解な名前に目を白黒させるのかもしれません。
気軽に読めるという点では『僕僕先生』シリーズに一歩譲りますが、その難しい語句の使用により文章に力が漲って、読み手に大きな読み応えを与えます。
感想としては、主人公の心のよすがが次々と掌か零れる砂のように消えていく喪失感は、哀しい。だが、彼を権力者になさしめる動機付けにはじゅうぶんすぎるほどなので、本には描かれていないその後の暴虐を尽くした彼の心の裡を少し知ったような気になるのです。
読み応えはあったが読み辛くもあったので星4つとさせて頂きます。