たまたま1巻を購入し、そちらが気に入ったので最近発売された2巻も購入。
昨今は女の子が主人公で、様々な舞台で展開される「萌え漫画」が多くなっており、
分類するなら、この作品もそうしたジャンルに入るんでしょうか。
ただ、有象無象の「意味なし日常系」とははっきりと線引きが可能なのが、この作品の特徴。
2つの大きな特徴が、この漫画に命を与えているように見えます。
1つは、主人公サトミちゃんの家庭環境を含めた、ちょっと生の空気がある環境の描写。
父親がネトゲ廃人で、家を出た母親を待つために必死で店を切り盛りする小学生、というととても非現実的ですが、
当然のように、仕入れ先だって小学生は信用しないし、中にはあまり性根の良くないお客も。
「小学生一人で商売なんか出来るはずがない」という厳しい現実も、そこには垣間見えるのです。
それを理解した上で、サトミちゃんは精一杯頑張り、周りの人たちも暖かくそれを支えてくれる。
辛いこともあるからこその、心暖まる物語がそこにあります。
もう1つの特徴は、作者さんも丁寧に勉強している、実際の文房具についての描写。
なんだかマニアックな文具も多数登場しますが、珍しい文房具を見ているだけでも、何となく楽しい。
サトミちゃんも文房具が好きだし、それを買いに来るお客さんも、ペンや鉛筆削りに愛がある。
全て実在する文具をモチーフにしており、「文具解説漫画」としても、案外中身が濃いです。
「文具」と「少女」の「物語」。あっと驚く展開は無いかもしれないけど、
街角を覗けばひょっとしたらそこに住んでいるかも、と思わせる不思議な近しさが、なんだか癖になりそうです。