歴史的名盤となった1stAL「Birth」を経てリリースされたニューシングルは中川かのんの魅力を最大限に引き出した明るいサマーチューン。
タイトル曲は清清しい王道の夏のアイドルソング。「恋かもね」から「恋だよね」に変わっていく短い夏の思い出とその心境の変化を非常にコンパクトな演奏時間で無駄なく表現できている。
バンドを意識したアレンジは神のみOVAの内容を意識したのであろうか。そのバンドぽいアレンジが今回かなりスパイスになってると僕は思う。あくまで「ぽい」でしかないけど、このグッドメロディできちんと楽器の音が聞こえるのはおもしろい。ギターとキーボードの絡みが鮮やか、また大サビの力強いドラムは僕のようなロック好きでもわくわくした。
ここまであからさまな王道を継承できるアイドルは現状では三次元にきっと存在しない。かのんちゃんを見ていて、僕が思い出すのは1st kissを発表した後に桃色片想いを発表した松浦亜弥の勢いだ。某秋葉原とはまるで違う。アイドルのグループ化が進み、昨今はソロで輝けるアイドルが減ってきた印象を僕は受ける。その点、彼女は一人で次元を超えて輝ける才能を持っている。
「所詮二次元じゃないの?」というアンチアニメ派の批判は覚悟の上…今作と1stALを聴いて、彼女に堕ちないアイドル好きなどこの世に存在しないだろう。三期も決まっているようだし、できればもう1枚2ndALくらいまでは突っ張ってほしい。
カップリングは夏の終わりを意識しているがタイトル曲と雰囲気は変わらず、なんとも地味な印象を受ける。切ないミディアムバラード物が欲を言えば聞きたかった。らぶこーるのオーケストラアレンジは新録なのがよかった。アレンジはもう少し大胆でもよかったかもしれない。残念ながら、収録曲全てにアルバムのクオリティを求めることは無謀だったか
タイトル曲以外の感想は上記の通りで…とはいえ、タイトル曲の出来だけで余裕で5つ星。