●漱石作品をある程度読んでいて「いいなぁ」と思っている人にはお勧めしたい。各作品の魅力やより深い読み方をわかりやすい言葉で楽しく知ることになるだろう。
●一方、「漱石ってよく知らないけど文豪といわれるくらいだから興味ある、まずはこの本から読んでみようか」という人には、以下の理由によりあまりお勧めできない。
●本書は、各作品の欠陥や不出来な点を鋭くえぐり出し、それでもなお漱石の作品は素晴らしいのだということを論じるスタイルで進行する。したがって、漱石作品が好きだ!という吉本氏と同じ立場で読まないと、その漱石作品のもつ欠点の方だけに納得させられてしまう可能性があるのだ。
●だから、まず「坊っちゃん」「三四郎」「こころ」などを読んでみて「漱石の小説って自分のセンスと合ってるなぁ」と思ったところで手にして欲しい一冊である。