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夏目漱石「こゝろ」を読みなおす (平凡社新書)
 
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夏目漱石「こゝろ」を読みなおす (平凡社新書) [新書]

水川 隆夫
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

欧化政策、村共同体の崩壊、新しい価値観の波―。現代にも似た転換期の日本、明治後期という時代を、「先生」も「私」も「K」も、それぞれの立場で必死に生きました。その心の揺れ、やむにやまれぬ行為の中にこそ、今をより深く長きるための、思いがけない光が潜んでいます。再読・精読の至福のうちに、どうかそれに出会ってください。漱石の「こゝろ」を、私たちはこれまで、ほんとうに、読んだといえるのだろうか。

内容(「MARC」データベースより)

夏目漱石の「こゝろ」を、私たちはこれまで、ほんとうに読んだといえるのだろうか? 人間の心ははたしてとらえ得るものなのだろうか? いまも私たちをひきつける「不可解」で「陰湿」な名作を徹底的に再読する。

登録情報

  • 新書: 212ページ
  • 出版社: 平凡社 (2005/08)
  • ISBN-10: 4582852874
  • ISBN-13: 978-4582852875
  • 発売日: 2005/08
  • 商品の寸法: 17 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
 学校国語の指導要領みたいな本である。一文、一文に注釈を加えて意味を膨らませていくそのやり方は、さすがは元・中高の教員を忍ばせる。基本的に真面目なのである。

 それはそれでよいが、木は見えても森が見えてこないのが残念。
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13 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 自分の一番好きな小説は「こころ」であり、他者の解釈や解説も参考に

して「こころ」をより深く理解したいと思い、本書を購入した。

 元文学部教授による解説だけあって、さすがによく検討されていると思

った。文章もかなり論理的で、ほとんどの部分は作者の解釈に納得がいっ

た。

 例えば、自分は、若者の「私」がなぜ年上の先生にあんなに惹かれたの

か不思議に思っていた。周囲でこのような交友関係をあまり見ないからで

もある。筆者は、当時、漱石の周囲に集まった弟子たちも漱石に父と師と

友達と恋人とを求めており、作中の「私」と先生の関係は、弟子と漱石と

の関係を念頭において書かれたとしている。また、「私」の「先生」に対

する感情の中に「同性愛的感情」が含まれていることを指摘している。自

分はこうした解説に納得がいった。

 ただし、いくつか、論理的な裏づけがなく納得すべきかわからない解釈

も見られた。「黒ずんだ葉におおわれている「木犀」は、「先生」の暗い

秘密を表している。」「癖がついてなかなか父の自由にならない証書は、

教育を受けたせいで父の自由にならなくなった親子関係を、ややユーモラ

スに表現している。」といった記述で、そうかもしれないが、読み手の勝

手なこじつけなのかもしれず、根拠が薄弱だと感じた。

 また、本書では、いくつかの「こころ」解釈上の対立が引用されている。

が、どちらもそれぞれの解釈を述べ合うだけで、根拠を示すことが本質的

にできないため、結局は漱石にインタビューでもしない限り、どちらが正

しいのかわからない。

 自分は理系なので、学問上の論争がある場合には実験や観測を重ねれば、

双方が納得する結論がいずれ得られる場合がほとんどであるが、本書を読

み、文系の(一部の)学問というのはこうも客観性に欠ける議論をし合っ

ているのか、と驚いた。

 

 いずれにしても、「こころ」を深く考える上での参考資料の一つとして、

読んでよかったと思う。
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4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By kaz-p VINE™ メンバー
形式:新書
漱石の作品論にはとかく難解なものが多いのですが、

本書は専門家ではない人向けの読書会や講演での原稿を元に

編まれたものということで非常に読みやすいです。

最後の方に、「こころ」のその後に関する著者の想像

が載っているのですが、なんだか国語の課題の模範解答のようで、

いまいち好きになれませんでした。この後「私」が帰宅したころ、

父が死んでいる、という予想からはじまっていましたが、

この生死は十数年来の私の疑問になので、余計なお世話です。

読みながら、教科書に載っていた抄録には満足できずに、

学校にあった初版本の復刻版を強烈な当て字に戸惑いつつ、

夢中になって読んだことを思い出し、

もう一度「こころ」を読んでみたくなりました。
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