先に出た『きんぎんすなご』と合わせて、続編というか番外編の「Cotton Candy Cloudy」に、文庫版書き下ろし「おまけまんが」5ページも加えて、これで“夏目家”シリーズ全集となるはずです(“もののけくん”や“山の主様”みたいにぽつぽつ単発で書かれなければ、の話ですが)。
前作で主役二人(蓼子ちゃんと久義くん)を、途中出場にもかかわらず完全にくってしまった夏目蒼一郎くんとその家族の“前史”である彼の高校生時代が描かれています。前作中では“三つ子”だなんて、かけらも匂わせていませんでしたが、そこはご愛敬。決して無用・無意味なつけたしなんかではない、素晴らしい家族ドラマが展開します。
これものって描いていたに違いない『So What?』が代表作のひとつであるように、蓼子ちゃんから夏目家を描いた連作が、近年の代表作と言えるのではないでしょうか。
ただ、この作家の絵柄に“文庫版サイズ”は無理がありますね。もともと線が細いこと、書き文字が細かいことから、雑誌(B5)サイズとは言わないまでも、せめてA5サイズで読みたい。出先で購入した文庫を通勤の電車内で読み直した後に、自宅の書架から単行本を探し出して読み直してしまいました。
ところで、「おまけまんが」には“紅一郎”のその後が描かれていました(!)が、蒼一郎と久里子のその後は? 実加子はどうなる? そして“はるちゃんとすみちゃん”は? 謎は尽きないのでありました(笑)。