収録されているエピソードは3本。
北本と西村をはじめ、色んな友人との触れ合いが描かれた『夏目、文化祭に出席する』。
割れた鏡の欠片を探す妖との触れ合いがきっかけで様々なことに気付くことになる『映すもの』。
そして藤原夫妻のもとへ引き取られた経緯に触れる『帰る場所』。
特別編は『ちょび徒然帳』
妖は出てきますがそれは何かに気付かされるきっかけなどであり、この巻の中心は人間との触れ合いです。的場の登場により妖との関わり方を問われた前巻とは対照的です。
あとがきを読むとどの話も以前から描きたかったけれど、どれも大切な話だからこそ、なかなか描けなかった、そういう話のようです。ずっと作者の緑川さんの中で温められた内容。どれも優しい話で、何気ないやり取りや台詞にほっとします。夏目の自転車のエピソードにははっとさせられました。
妖と人間、その両方とどう関わっていくかまだ手探りの状態の夏目。ですが、少しずつ友達や家族といった身近な存在に遠慮などをせず、思いを言葉にのせるように。そんな変化が感じられる一冊です。