妖怪の見える高校生・夏目と、彼を取り巻く人々、妖怪達との日常を描いた作品のアニメ第4期目。
私は、この作品の原作(少女マンガみたいだが・・・)を見た事も無く、アニメ自体を知ったのは、2期が終わった後の再放送をテレビで見て、その描写力や表現力に魅入られたから。
それからは1期、2期のブルーレイボックス購入。3期も全てブルーレイを購入と地味にハマッてしまった。
話の感覚としては、表現は悪いが『綺麗で厭らしくない地獄先生ぬ〜べ〜』みたいな感じ?(本当に例えが悪くて申し訳ないが・・・)
少年漫画であれば『妖怪が見える変わった人+社会に蔓延る妖怪=闇の世界と戦う運命』と安直に直結してしまうそうだが、ここはやはり女性向け漫画の視点か、話のメインは穏やかで賑やかな妖怪達との触れ合いをメインに描かれていて、それでも飽きが来ない作りになっているのは非常に好感が持てる。
レビュータイトルに有るように『大人が楽しめる作品』というのは、上記に述べたような日常風景が多い事が起因しているのだろう。
それに、主人公の夏目にも、幼少時代に妖怪が見える事が原因で虐められたり、親戚の家を転々としたりと、有りがちながらもリアルな過去を持っているが、それを逐一表に出さない、『シリアスさの安売りが無い』所も大きいと感じる。
物語の起伏を、上手く操作できているとでも言うのだろうか?
確かに全編、夏目のつらい過去を前提に話を作れば誰が見ても『あぁ、すごい真面目な事を訴える作品なんだな』と解るだろうが、しかし感動は薄れる。
常は、友人や妖怪達との触れ合いを描きながらも、ふっと忘れた頃に夏目の過去を刺し込んで『ああ、そういえばこんな過去もあるんだよな・・・』と思い出す事で、一度見た場面でも、もう一度見返す事で違った視点で見る事が出来る。
勿論、漫画作品よろしく夏目の他にも妖怪の見える人々も、同級生や、妖怪退治を生業として居る人などが登場するが、そういった人たちとの関わりも他の一般人とは一線を画していて面白い。
中には主人公と敵対する様な妖怪の祓い屋の名家と言う人たちも登場するが、そうした人たちとの関わりも、安易にバトルや険悪なムードに持ち込むわけでなくあくまで『彼らの日常の域を出ていない』上での描写になっているのもグッド。
今期は初っ端から上記の祓い屋『的場』一門とのいざこざ話だったが、そんな中でも夏目が思う人と妖怪との関わり、逆に的場が考えるそれらの有り方、夏目と交友のある妖怪達が自分たちの意思で的場に拉致された夏目を助けようと行動する姿など、さすが期のスタートだけあって、話に引き込む為の見所が満載であったと思う。
話の最期で夏目が的場から逃れた後に、それを知らずにヒノエ(妖怪の中で夏目のご意見番的な?)が凶器を振りかざしながら、凄い形相で走ってくる場面があった。
そこも普通であればただ単なるギャグシーンなのだろうが、そういった行動の一つ一つが、夏目の行いによる結果なのだと考えながら鑑賞すると、胸に込み上げてくるものさえ感じずには居られない。
兎にも角にも、『激しいシーン』という物は少なく、朗らかな日常を描いた部分が多い。端的に『バトル大好き、努力・友情・勝利大好き』な少年漫画好き年齢には詰まらないかも知れない。
しかし、その分話を考察しながら鑑賞できる大人にとっては『結果が解っていようが、何回見ても飽きが来ない』作りになっている。
ストーリー性のある『新説・日本昔語り』とでも思って鑑賞して見てはどうだろうか。
これらより総評として。
・私の感覚としては完全に『大人向け作品』に感じる。燃え要素・萌え要素も無く、伝えるべき事を素直に描いている部分は非常に好感が持てる。
・さすがに4期目ともなると、初っ端からメインストーリーに入り、用語説明や人物説明は無い。今期から見ようとする人は前作までもチェックしましょう。
・DVDかブルーレイで選ぶなら、断然ブルーレイ購入を勧めたい。人物同様、素朴な景色や、繊細に描かれた妖怪達の描写も素晴らしい。是非美麗な映像に見入って欲しいところだ。
最近の日本漫画ブームの作品の様に、世界を股に掛けるヒット作では無いのだろう。しかし『日本人であれば』誰もが美しい、懐かしいと思える面白さが、この作品には確かにある。
もともとのファンは基より、私の様に突如興味をもった人たちも、1作目から取り組む気持ちで入り込んで見てはどうだろうか?