男子高校生が自らの体験を小説にした、という設定の『夏海紗音と不思議な世界』第二巻。
前巻で張られた伏線を回収しつつ、新たな「航海」へと出発する。
本巻は前巻よりもラブコメ成分多め。
夏海紗音というメイン・ヒロインを前面に出し、他のヒロインがそれを盛り上げる構図だ。
なかなか素直になれない彼女の、焼きもちや空元気がよく描かれている様に思った。
主人公が元の世界戻っていない点で前巻とは異なる結びを迎えた本巻であるが、
ストーリーの展開は基本的に前巻と同様、王道を突き進んでいる。
ありきたりと切り捨てることも可能なストーリーだが、
無理に独自色を出そうとしてネタに依存していないことに、逆に好感が持てた。
子供が書いた文章という設定でとても読みやすく、しかし時々ハッとさせられる文章があるのも良い。
ただ序盤を中心に、高校生にしては不自然な「大人の」表現が見られることに軽い違和感。
前巻とは各キャラのイラストの描かれ方が若干異なるが、これはプラスに作用すると思う。
前巻で楽しめた方は、本巻でもきっと楽しむことが出来るだろう。