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20 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ミステリ傑作だけど、ラストが辛すぎる作品,
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レビュー対象商品: 夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫) (文庫)
この本は、前に紹介した「春季限定いちごタルト事件」の続編になります。小鳩くんと小佐内さんのコンビも、前回は高校一年生でしたが、今回は一年とちょっと過ぎて高校二年生になっています。見かけは普通ながら、それぞれ常人より推理力と復讐心が圧倒的に強い二人はその自分たちの性を押さえて隠すため、「小市民」を目指していますが、今回もまたそうはいかない展開になります。一夏の事件は二人の関係をそうした穏やかな状態で終わらせてはくれませんでした。 幕開けはそんな劇的なことを予感させない、むしろ微笑ましい雰囲気で幕をあけます。 夏休みになった途端に、「素敵な夏になりそう」と小佐内さんは、街にたくさんある厳選スイーツの食べ歩きに小鳩くんを誘います。その名も「小佐内ゆき 夏のスイートコレクション」と銘打って、それぞれのお店とおすすめまで書き込んだ、お手製の地図まで作って一夏の食べ歩きを提案します。甘いものがそんなに好きじゃないといいつつ、小鳩くんもそれにつきあいます。まさに、清く正しい男女交際? みたいな展開になります。そこだけみると気恥ずかいくらい青春しています。 彼女の性格からすると違和感を感じつつも、小鳩くんはそれにつきあいますが、それは大きな事件につながることだったのです。。 ストーリーはそのあたりまでで、感想ですが、正直ラストの部分は非常に辛かったです。 どんでん返しにつぐどんでん返しで、まさにミステリーの醍醐味を感じさせる展開で、なおかつその構成力には舌を巻く思いで、それだけであれば文句なく太鼓判で大絶賛です。前作よりも非常にレベルアップしています。 が、本当にラストの展開が辛かったです。よくできたキャラクターに惚れ込んでいたからかも知れませんが、最後の二人の選択が悲しかったし、その途中での小佐内さんの語りにも胸が苦しくなっていました。 女性はいろいろな顔を持ち、男が思っているような単純なものでは決してないです。それはまぁもちろん人生経験で誰もが知っている筈ですが、こういうシチュエーションになって、思いがけない展開になるとなんだか全てがわからなくなってしまったり、動けなくなるのも男性心理の不可思議。読んでいて、まるで自分がそこにいるかのように苦しくなってしまいました。 続編が「秋季限定 マロングラッセ事件」として出る予定だそうですが、ここからどうやって組み立て直すのか、二人が幸せな状態でいるのか、この作品を読んだ人は必ずやきもきしながら待つ事になりそうです。
21 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
飛躍的に良くなったシリーズ第二作,
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レビュー対象商品: 夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫) (文庫)
ライトノベル畑に出自を持つ新進ミステリ作家、米澤穂信の新シリーズ「小市民シリーズ(と勝手に呼ぶ)」の第2作です。前作「春期限定いちごタルト事件」はライトノベル的なキャラクター造形の小鳩君と小佐内さんを主人公として、創元お得意の「日常の謎」本格ミステリにまとめた佳作でしたが、ちょっとこぢんまりとした印象で、作者への高い期待値もあって「良い作品ではあるけど米澤穂信の中ではもう一つ」というのが正直な感想でした。 それに対して本作「夏期限定トロピカルパフェ事件」は数段良くなっていると思います。ネタバレを避けると抽象的な言い方になってしまいますが、前作で感じたキャラクターの魅力と本格ミステリとしての良さがやや乖離したちぐはぐな印象は払拭されて、本作では2つの要素が有機的に融合されて見事な仕上がりになっています。さらに主人公2人が「小市民」を目指すという設定をキャラクター造形の記号としてカッコに入れるのではなく、思春期の自意識を巡る物語にからめていくことで、(解説にもあるように)戯画化された青春小説としても一歩進んだものになっています。 前作のファンはもちろん、いまいち合わないと思った人にも是非オススメする本作品、強烈な引きに続巻「秋季限定」「冬季限定」が待ち遠しくなることうけあいです。
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
このせつなさは一体…。,
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レビュー対象商品: 夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫) (文庫)
小市民シリーズミステリー待望の二作目。これはもちろん夏に読むべきでしょう☆依然奇妙な人間関係の高校生男女ふたり。出だしはいつもの展開を踏襲し、日常に生まれるナゾを自ら作り出したり解き明かされたり。しかし、全体を通してどことなく主人公の語りに不穏な色があり、前作を読んでる身としては当然、おや?とひっかかります。でもまさかナゾがすべて解けたあとにこんな展開が用意されているとは…。恋愛関係でなくてもせつないストーリーは描けるのだなあという一例が、ラストに読者を待ち受けております。だけど、あー、この小説、続きはどうなってしまうの〜!?
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