オルセー美術館20周年企画として、全面協力のもとで制作されたこの映画。
亡くなった母の貴重な美術コレクションの遺産をめぐる3人のきょうだいの物語。特に胸躍るようなストーリーではないのだけれど、いわゆる「遺産相続」からわたしたちが受ける、欲にまみれ泥沼化した人間関係…みたいな雰囲気は一切ない。3人ともそれぞれ愛する人がいて、没頭できる仕事をもった、しっかりした大人たち。
みんなそれぞれ、家族との思い出の品として美術品を扱っていて、そこが見ててとても気持ちよかった。そしてそれらを売却するときも、諦めを含んだ寛容な心で対応して、そのお金でもっと自分の人生をいいものにしようと前向きな気持ちだったので良かった。
この映画の見所といえば、やはり何と言っても美術品やインテリア&エクステリアの美しさ。わたしはこの美しさのためだけにDVDが欲しいと思った! この家も庭も、わたしがずっと夢見ていたようなまさに理想の家!
大きな窓や、ゴミや本、ノート、花瓶、サビどめスプレー、コップ、電話。そうした生活の中のこまごまとしたものが、生き生きと魅力的に配置されてて、そこに住んでいる人の魅力をおしみなく表現していると思った。
わたしがもともとインテリアがすごく好きというのもあるのだけれど、家具屋の広告みたいじゃなくて、そこの住人の人柄を表すようなインテリアにはやっぱりグッときちゃうなあ。
この場所を見るだけでも十分に価値のある、まったりとした日曜の午後向けの映画だと思いました。