SF史上の名作”夏への扉”の原著です。 たいしてSF好きでもない私が高校生の頃読んで非常に感銘を受けた名作でした。 しかしこの作品、原文で読むとなるとなかなか難しい部分も多いと私は思いました。 とくにエンジニアリングの説明部分や法律に関するくだりなどは、ルビ訳なしで読める方はほとんどいないのではないでしょうか? ストーリー自体はわりとスムーズに読んでいけるとは思いますがー。
ところで、作者の揚げ足を取るわけでは決してありませんが、面白い点もいくつか気が付きました。主人公が経験する2001年の世界からすでに約10年後の世界に我々は住んでいます。 SF小説の巨匠と言えどもインターネットや携帯電話の普及という未来像は予想できなかったようです。 事実は小説より奇なりーと言えるのではないでしょうか? さらに2001年のコールドスリープ機関で、医者が室内でタバコをすっているーという描写も出てきます。 現時点で常識のことが、わずか50年後には非常識になってしまうーということがありありと分かる例だと思いました。 さすがのハインラインも、アメリカ人がこれほどたばこ嫌いになっていることなど想像も出来なかったことでしょう。 なにはともあれ名作です。 私は英検準一級以上の方に是非お薦めします。