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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
遅れてきた初恋の物語,
By
レビュー対象商品: 夏の口紅 (角川文庫) (文庫)
十五年前に家を出て行き、顔も覚えていない親父が死んだらしい。親父は、ぼく(礼司)と「姉」、それぞれにゴクラクトリバネアゲハという 珍しい蝶の標本を遺したそうなのだが、自分に「姉」がいたとは初耳だ。 しかも、その標本を預かってくれていたのは、義理の妹だそうで……。 「姉」を捜し求めていくことを通じて、それまで知らなかった 父の人生の軌跡を辿り、おのれのルーツに向き合う物語。 父が、ぼくと姉に蝶を遺した意図や、姉は今どこにいて、何をしているか といったことが謎の焦点となりますが、ミステリ的仕掛けはありません。 人物造形や舞台設定、散りばめられたモチーフなども、 他の樋口作品との類似性が多く、目新しいものはないです。 しかし、著者に殊更な新奇さなどは必要ないのです。 今、この瞬間に目の前を通り過ぎていく青春という時間を静謐に、時に熱く 見つめる主人公の内省的な視線こそ、永遠に古びないものなのですから。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
読めば読むほどハマります,
By カスタマー
レビュー対象商品: 夏の口紅 (角川文庫) (文庫)
あらすじなどにはほろ苦い初恋、と書いていますが、ちょっとファンタジックな面が見える作品。蝶の標本から始まり、とあるぶっきらぼうで不思議な女の子に出会います。その出会いが主人公を変えていくのですが、劇的な事件があるわけでもなく、ゆっくりと時間が過ぎていく中で、何かが変わってくる感じがいいです。年上の彼女とのやりとりや、女の子との不思議な会話ひとつひとつから、主人公の心境が読み取れておもしろいです。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
クールな青春小説,
By TEA (神奈川県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 夏の口紅 (角川文庫) (文庫)
著者お得意の青春小説。主人公の設定など他の作品と似ているところも多いのだが、本作品はミステリー要素はほとんどなく(謎の多い亡き父親の遺言の意図、見知らぬ姉の探索というテーマではあるが)、大学生である主人公の成長物語かつ恋愛物語である。 品のいいユーモラスな会話、クールかつ行動的な主人公、ちょっと変わっているが魅力的なヒロイン、年上のガールフレンドやファニーな母親など女性との掛け合いの多さなど、著者の得意技が十二分に発揮されている。 ラストも微笑ましく余韻を残す。 読んで損なし。
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