夏が終わった直後に発売とは、なんともタイミングが悪いような気が。しかし、この作品は確実に本領を発揮してきたようだ。
タイムスリップして辿り着いた昭和20年の日本には、戦火の脅威に怯えている中でもどこかほっとするような人々の暮らしがあって、今と変わらない絆がある。その頃から現代までの60年の年月を、ヒロインのあらしとカヤはそれぞれ淋しさや葛藤を抱いて生きて(?)きたのだ。そんな二人の、単に数奇とは言えない、死や戦争の恐怖を超越した巡り会わせは、とても尊いことのように思える。
本書の66ページに、この作品に込められたメッセージがまさしく「燃える」ように表れている。また、「しぬ」や「ころす」などの平仮名での表現が臨場感を強めてくれている。
やはりあらしは初期の頃の前髪のかかり具合が好きだったなあ…。