第5巻あたりまでのラブコメ的な要素だけが好きな人には、薦められません。
第6巻後半あたりから顕著になるシリアス路線は第8巻ではとてつもなく加速しており、空襲の中を逃げまどう人々を描いた部分は鬼気迫るものがあります。
60年以上も前の日本で、何が起きていたのかを多くの人に知ってもらいたいと思います。
戦争体験のない著者が本巻を描くため払った努力が、そして資料などを通して知った事実によって揺さぶられた著者の魂が、隅々までみなぎっています。「あとがき」を読む限り、著者も悩み苦しみながら書いたことが想像できます。そして、実際に体験した人たちの苦しみは、さらに大きく、その何〇倍もであったことでしょう(十とか百とか数字を入れることすら、憚られます)。
第二次世界大戦をどう考え、評価するのかは、それぞれの立場や思想などで違うのでしょうが、戦争を始めるということは、そこにいかに「大義」や「正義」があろうとも、ここで描かれたこと、いやそれ以上のことが自分の身に降りかかる可能性に繋がるということです。
60年以上も前の「空襲」や「原爆投下」に、未だにこだわり続ける人がいる理由が、より若い世代に伝わることを願っています。
最後に、何よりも、この凄まじくも素晴しい物語を生みだした作者に感謝します。