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変貌する民主主義 (ちくま新書)
 
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変貌する民主主義 (ちくま新書) [新書]

森 政稔
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 819 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

かつて民主主義は、新しい社会の希望であり、人間の生き方を問う理想であったが、いまや、それも色あせ、陳腐なお題目と化している。しかしそれは、単に現実が堕落したためではない。その背後には、民主主義を支える思想が、社会の深層で大きく変化したという事情があるのだ。本書では、デモクラシーのありようを劇的に変容させた現代の諸問題を、「自由主義」「多数者と少数者」「ナショナリズムとポピュリズム」「主体性のゆらぎ」といった論点から大胆にとらえ返す。複雑な共存のルールへと変貌する姿を鋭く解き明かす試みだ。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

森 政稔
1959年生まれ。東京大学法学部卒業。同大学大学院法学政治学研究科博士課程中退。筑波大学社会科学系講師などを経て、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻教授。専攻は政治・社会思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 267ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2008/05)
  • ISBN-10: 4480064249
  • ISBN-13: 978-4480064240
  • 発売日: 2008/05
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.8 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By モチヅキ VINE™ メンバー
形式:新書
 1959年生まれの政治・社会思想史研究者が、小泉政権を意識しつつ、民主主義の問題そのものにまっすぐ到達することを目指して、また民主主義を核として、これまで別々に論じられてきた(それ自体としては目新しくはない)多様な個々の論点相互間の布置連関を明らかにしようとして、2008年に刊行した本。民主主義は、それが置かれているさまざまな社会関係の中で、初めてその意味が決まるという性格を持ち、1960〜80年代にそれを支える思想的前提のうち、かなりのものが入れ替わった。その契機となったのが、ニューレフトによる政治領域の拡大と、保守革命による新自由主義政策の採用であった。著者はこれ以降の現代民主主義の論点として、自由主義と民主主義の関係(公私区分や専門性の問題とも関わる)、多数者支配と少数意見の尊重に関する問題(アイデンティティの政治の意義と限界とも関わる)、ポピュリズム・ナショナリズムとの複雑な関係(戦争との関わりや、政治のゲーム化、中間集団の評価等に関わる)、主体性の変容や外部性の問題(シティズンシップの問題、ガヴァナンスの社会的拡散に伴う問題、多様なステイクホルダーへの配慮の必要、自己の不確実化に伴う問題等)を挙げ、民主主義の実態の分析よりは、社会変化に伴う基本概念の変化や、学説史の検討を通じて、これらの問題の複雑な現れ方と、それらのはらむ意義と問題点とを探ろうとする。本書では、全体の連関がやや見えにくい箇所があり、また著者自身が認める通り、具体的な対策が述べられているわけではないが、学説や論点の整理の仕方は鋭く、なかなか刺激的だった。一定の知識は必要とするが、民主主義について根底から考えるためにはお勧めの本である。
                      
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18 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ビブリオン トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
ある国家が、反民主的だと怒りを覚える時、僕らは、教科書に書かれた民主主義の内容で判断しています。しかしその民主主義は、著者によれば、1960-70年ごろから変わり始めました。この時期、議会制民主主義や政党政治を、既に実現していた社会では、新たな批判が出てきました。生産至上主義・業績評価主義・豊かな社会の精神的貧困・管理社会などへの批判、また少数意見の擁護など、政治の領域からはみ出て拡大した運動、フェミニズム、エコロジーなどが盛んになりました。本書はこの変化の底流部分を探り、我が国直近の政治傾向を分析、問題点を洗い出しています。

はじめに米国や欧州の伝統的民主主義や自由主義、日本の戦後民主主義などの思想史的来歴が、鮮やかに纏められています。主眼は、それ以後の流れです。○レーガンや小泉の「新自由主義」。少数者擁護の流れに対する多数者の反撃とも見なせるが、しかし集団の利益で動くのではない各層を縦断する多数者の動き。問題の多い新たな「ポピュリズム」の流れ。○また安部の「新保守主義」。グローバル化の進行にも関わらず、「国民国家」が最後に頼りにされている。文化的な、また軍事的な新「ナショナリズム」への傾き。これら新潮流が、複雑な絡み合い、その多様な関連項にも目が配られて、綿密に捉えられています。

多様な人々の間の複雑な共存のルールを作る。自分が属する集団の利益だけでなく、他者をも考慮。他者に開かれつつ、他者に浸透される生き方。主体が、このように変容した新民主主義、「ポスト新自由主義」は良策ですが、そこでは、個人はその根源に自己保存への意欲がないと、他者に侵食されて全てを失う恐れもあると、著者は警告しています。
最後に、米国の民主主義論史が、まとめられています。合意に至るプロセスを重視する「熟慮型の民主主義論」が、「ポピュリズム」への矯正策として、指摘されています。なるほどと思いました。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By θ トップ1000レビュアー
形式:新書
デモクラシーに関する論を、鋭い切り口で再構成している本だ。

書かれている内容それ自体は、他の本でも読めるようなものだろうが、その再構成の方法が鋭いので、読んでいて新鮮である。

適当にくくられがちな民主主義だが、西欧=自由主義体制のそれと、90年代の民主化によって成し遂げられた東欧のそれとはだいぶ異なっている。
民主主義と非民主主義、という争いではなく、民主主義内部で方法の大きな違いが浮かび上がって来ているのだ。

自由主義・民主主義・資本主義という今日の世界を支持する3つの主義がどのように関わりあいながら発展してきたか。
そこには、それぞれの漠然としたイメージときわどい緊張関係があるのである。

新保守主義を支えるポピュリズムの逆説のくだりなどは、今日的問題であって非常に興味深い。
むしろ民主主義論がこういう形で表れてくるのかという驚きがある。

基本的な民主主義論を新書あたりで読んだ人には、2冊目として本書をすすめられるだろう。

最後に目次を記しておく
現代世界と民主主義
自由主義と民主主義
多数と差異の民主主義
ナショナリズム、ポピュリズムと民主主義
誰による、誰のための民主主義?
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