主人公は建前を失い本音がだだ漏れになる。おかげで変態扱いされて嫌だから(もう手遅れな気が)取り戻すべく奔走する。
メインヒロインは表情と抑揚を失い、このままだと日常生活に問題が出てくるという理由で主人公と行動を共にしている。
目的達成の為に一直線な姿勢は良いです。しかしその動機が希薄に感じられます。
失ったものに対して家族や友人に心配もされず、苦悩や葛藤といった描写もほとんどされていない。
変態扱いは普通なら絶対嫌だろうけど、この主人公は軽口をたたけるほどで全然動じていない。
建前は本当に必要なんだろうか?
これだと『無くても困らないから諦めよう』とバッドエンドな展開も考えられる。
せっかくのテーマが薄っぺらく思えてきます。
詳細は伏せますが、最後の解決策も今までどれだけ遠回りしてたの?と思えるほどあっさり過ぎる。
多少シリアスな展開だっただけに、あの人格の変わりようは受け入れられるか難しい。
また、武道に関して噂が絶えない程の強さを誇る鋼鉄の王に幾度となく衝突する主人公だけど、
バトルらしい展開が悉く避けられていて拍子抜けしました。
散々強さをアピールして持ち上げたのだから、もうちょっと主人公頑張って欲しかった。
特に逃げ出す場面ではサブヒロインを放り出して信頼を裏切っているし、どうしようも無いヘタレにしか見えない。
文章は遠回しな台詞やパロネタが多く読み辛いし、単調なやりとりが目立ちます。
散々批判的なことを書きましたがラブコメとしてみれば普通に楽しめます。
本音が出て『恋愛対象として見てない』などと言ってしまう会話も新鮮さを感じました。