本書のサブタイトル「8000人のキーパーソンと会食してわかったこと」に魅力を
感じて読んでみた。力ある人物と直接会って語ることは、誰しも大事だと思っているが、
気後れなどもあり、なかなか出来ることではない。それを実際に実践した人間に、直接
学ぶ思いで、最初から最後まで興味は尽きなかった。そこには“座学”ではなく“目か
らウロコ”ものの“実学”が満載であった。
第1部「出会いが人生を変える」、第2部「人との出会いでわかった成長する人の考
え方」の2部構成。全部で65のテーマで一話読みきりの話が語られる。
刺激的な話の連続。実際に実践するのに無理がない。心から実感したことのみが
的確な言葉で綴られており、人間の強さと弱さを知り抜いた著者ならではの柔軟さと優
しさを感じる。読みながら、“かゆいところに手が届く”感覚になった。
特に説得力を感じたのは「ロールモデル」の話。「自分の行動の手本、見本、規範と
なり、人生に大きな影響を与えてくれる存在」を見つけることで「自分を変えよう」と
のモチベーションが生まれる、との指摘があった。人は「感情」が伴わない限り行動で
きない生き物で、「知っている」ことと「行動できる」ことには天地ほどの差がある、
との根拠には「なるほど」と手を打つ思いであった。
また、効率化の対極にあるオタクの発想が真の革新を生み出す、などのユニークな主張
も随所に見られるが、その一つ一つが実に道理にかなっている。
「何だか変われそうな気がする」。そんな希望がわいてくる本である。