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変わりゆく国連PKOと紛争解決―平和創造と平和構築をつなぐ
 
 
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変わりゆく国連PKOと紛争解決―平和創造と平和構築をつなぐ [単行本]

上杉 勇司
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

著者からのコメント

 本書は「国連PKOと紛争解決はどのように重なりあうべきか」「紛争の状況に応じて、平和創造、平和維持、平和構築をいかに組みあわせていけば相乗効果が生まれるのか」といった視点から、理論と実践をつなぐことを意識した私にとっての最初の試み、最初のアウトプットである。

 どうしたら理論と実践との間に相乗効果が生まれるのか。現場で役に立つ理論、より効果的な実践を助ける理論とは何か。本書の底流にあるこのような問題意識は、現場との対話のなかで生まれた。本書を書き進めるにあたり、現場を知り、現場感といったもののなかで具体的に判断することを大切にした。もちろん、本書はこのような重要な問題の解答を明快に提示しているわけでもなく、紛争や復興の現場でリスクを背負って活動される人たちに、どれほど役に立つのかは分からないが、自分も何かしらの貢献をしたいという思いで本書を書きあげた。

 本書では、国連PKOの役割が従来の平和維持から平和創造や平和構築の分野へ拡充している点を指摘しつつ、紛争解決につながる多機能型国連PKOの可能性が論じられている。国連PKOはどのような条件下でいかなる機能を果たしているときに紛争解決の一翼を担うことができ、逆にどのような条件下でいかなる機能を果たしているときに紛争解決の妨げとなってしまうのか。この疑問を明らかにするために、本書では、国連PKOに関する学術的な研究と紛争分析の先行研究を参考にしながら分析枠組みを構築し、その枠組みを用いて、キプロスとカンボジアにおける国連PKOと紛争解決の関係を実証的に検証している。

◆推薦文◆

元国連事務次長 明石康

「国連PKOの実態をしっかりとらえ、その実績を冷静に評価し、その限界をどう克服できるのかを真剣に考えた待望の研究書。紛争予防から平和構築に至る日本の国際平和協力のあり方を考えるうえで欠くことができない一冊」

カバー写真:写真家 村田信一

出版社からのコメント

なぜ平和活動を目的とした国連PKOが、ときに紛争解決を妨げてしまうのか。いかなる条件下で国連は紛争解決の一翼を担うことができるのか。選挙監視員として東ティモールやカンボジアで活躍する著者の、キプロスとカンボジアを事例にした最前線の紛争研究書。著者は第二回秋野豊賞受賞者。

登録情報

  • 単行本: 362ページ
  • 出版社: 明石書店 (2004/06)
  • ISBN-10: 4750319287
  • ISBN-13: 978-4750319285
  • 発売日: 2004/06
  • 商品パッケージの寸法: 21.4 x 15.2 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 4.0 平和構築に踏み込む国連PKOの意義 2009/3/22
形式:単行本|Amazon.co.jpで購入済み
前半は紛争処理と紛争解決の橋渡しという役割を国連PKOに求めながら、

概念構築をおこなう。

後半では、紛争成熟度の概念を利用しながら、

国連PKOの3つの属性(同意、不偏不党性、武力行使の制限)と、

3つの機能分類(介在機能、移行支援機能、人道的介入機能)のチェックリストで、

キプロスおよびカンボジアPKOの効果を検証する。

概念構築も明確で、事例の検証も委細まで深堀されている。

何より著者自身がUNTAC期の選挙監視を行っていただけあり、

カンボジアについては事例の叙述に迫力がある。

残念なのは、やはり検証対象の事例が2つと少ない点、

それなのに、多少、筆を急いだきらいがあり、

「これをもって、本書の学術的な貢献としてもよいだろう」(290p.)など、

功績をアピールするところは、余計だったかもしれない。

とはいえ、これも著者の博士論文を土台にしたということで、

英国の研究においてレフェリーを受けるにあたっては仕方がないのかもしれない。

いずれにせよ、平和構築をめぐる国連PKOの分析枠組みとして、

スタンダードとなりうる基本書であることは間違いなさそうである。
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5つ星のうち 4.0 学術書 2004/12/15
形式:単行本
 大学の教養の授業で参考図書としてあがっていたので、読みました。著者の(海外での)博士論文に加筆訂正を施したもので、内容は濃いと思います。PKOに対する学問的分析は丁寧で細かく、本当に圧巻します。
 しかし、この分野をさらっと勉強してみたい人には重いかもしれません。事実、専門外の私にはキツい内容でした。換言すれば、専門の方にはお薦め、と言える本だと思います。
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5つ星のうち 5.0 相互補完性を求める視座 2004/7/22
形式:単行本
 国連PKOや紛争解決、平和構築などに関心を寄せる人はもちろんのこと、国際関係を学んでいる学生にも読んで欲しい一冊。日本においても国連PKOや平和構築が注目を集めているが、日本語文献として有用な学術書は、まだ多くない。そうした意味で、本書の貢献性は大きいと考える。

 著者は、本書において相互補完性を一つのキーワードにしている。例えば、理論と実践の相互補完、紛争解決と紛争処理アプローチの相互補完、国連PKOと他の仲介活動間の相互補完などである。しかし、著者は、安易に中庸を求め結論を導くのではなく、先行研究の問題点や限界性も指摘した上で、複雑かつ重層的な問題に、さまざまな理論的アプローチを整理・整合し用いることで、斬新な切り口をもたらしている。そうした多用な相互補完性の積み重ねのなかに結節点を見出そうとしている点に著者の分析の緻密さと独創性をみることができ、まさに労作といえる。
 
 こうした分析視角を学ぶことは、これから論文を書く者への道標となるのではないだろうか。

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