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どうしたら理論と実践との間に相乗効果が生まれるのか。現場で役に立つ理論、より効果的な実践を助ける理論とは何か。本書の底流にあるこのような問題意識は、現場との対話のなかで生まれた。本書を書き進めるにあたり、現場を知り、現場感といったもののなかで具体的に判断することを大切にした。もちろん、本書はこのような重要な問題の解答を明快に提示しているわけでもなく、紛争や復興の現場でリスクを背負って活動される人たちに、どれほど役に立つのかは分からないが、自分も何かしらの貢献をしたいという思いで本書を書きあげた。
本書では、国連PKOの役割が従来の平和維持から平和創造や平和構築の分野へ拡充している点を指摘しつつ、紛争解決につながる多機能型国連PKOの可能性が論じられている。国連PKOはどのような条件下でいかなる機能を果たしているときに紛争解決の一翼を担うことができ、逆にどのような条件下でいかなる機能を果たしているときに紛争解決の妨げとなってしまうのか。この疑問を明らかにするために、本書では、国連PKOに関する学術的な研究と紛争分析の先行研究を参考にしながら分析枠組みを構築し、その枠組みを用いて、キプロスとカンボジアにおける国連PKOと紛争解決の関係を実証的に検証している。
◆推薦文◆
元国連事務次長 明石康
「国連PKOの実態をしっかりとらえ、その実績を冷静に評価し、その限界をどう克服できるのかを真剣に考えた待望の研究書。紛争予防から平和構築に至る日本の国際平和協力のあり方を考えるうえで欠くことができない一冊」
カバー写真:写真家 村田信一
登録情報
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著者は、本書において相互補完性を一つのキーワードにしている。例えば、理論と実践の相互補完、紛争解決と紛争処理アプローチの相互補完、国連PKOと他の仲介活動間の相互補完などである。しかし、著者は、安易に中庸を求め結論を導くのではなく、先行研究の問題点や限界性も指摘した上で、複雑かつ重層的な問題に、さまざまな理論的アプローチを整理・整合し用いることで、斬新な切り口をもたらしている。そうした多用な相互補完性の積み重ねのなかに結節点を見出そうとしている点に著者の分析の緻密さと独創性をみることができ、まさに労作といえる。
こうした分析視角を学ぶことは、これから論文を書く者への道標となるのではないだろうか。
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