一部のフェミニストや社会学者によるセックスワーク論への関心の高まりや、「セックスワークの非犯罪化を求めるグループ UNIDOS」や「SWASH(Sex Work and Sexual Health)」等の当事者運動――なお、この二つの団体については本書にもそのメンバーが執筆者として参加している――があったとはいえ、マスメディア上では興味本位なバイアスのかかったもの以外にはあまり表立って語られることのなかったセックスワーカーの声を積極的に紹介し、性産業従事者の現場にこだわることで労働問題としての視点を拓いた編者の松沢呉一のこの時期の仕事の充実ぶりには学ぶべきところが多い。