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13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
充実の内容。ぜひ時間をかけて攻略してほしい一冊,
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レビュー対象商品: 声の文化と文字の文化 (単行本)
多くの人や書籍が、本書に多大な影響を受けたということで、ずっと気になっていた一冊。いつか読みたいと思っていたが、やっと読むことができた。 結論から言えば、高額な値段をかんがみても、十分以上に得ることの多い一冊だった。 我々は「読む」ことを当たり前に思っているために、「読む」ことを知らない人々の価値観がどんなに我々と異なっているかを知ることが容易ではない。 書かれたものは何度でも読み返すことができるが、話されたものは一瞬。 だからこそ、声の文化では慣用句や繰り返しを多用して、意識付けを行う必要がある。 本書は西欧文化圏の元に成立した本だけに、事例として『イリアス』等古代ギリシャなどの例が用いられることが多いが、これは『万葉集』やその他日本の古典文学を読む上でも、多くの気づきを与えてくれる。 とにかく本書から受けた示唆はあまりに多すぎて、ここにすべて書き記すことはできない。 ただ思ったことは、本書を表面的に読んでしまうと、 「声の文化は劣っている、文字の文化は優れている」 という表面的な認識を持ってしまう危険性があるということ。 著者も注意深く、そう思われないように論を展開しているのだが、要点だけ拾い読みするとそう思われかねない。 だからこそ、本書は腰をすえて、線を引くためのペンを持ちながら、じっくりと挑んで欲しい一冊だ。
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
文字の使用=思考の深化,
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レビュー対象商品: 声の文化と文字の文化 (単行本)
文字は人類最大の発明、とはよく言われますが、その衝撃と人類史に与えた影響は、文字を使い文章を書くことに慣れきった現代の私たちの想像を遥か遥かに越えたものだったようです。文字を使い文章を書き推敲することが、思考を格段に深化させたのです。 文章を練ること≒思考を組み立てること。 確かに、書かずに複雑なことを考えるのは至難の業です(少なくとも私には)。 といっても、文字を知らない文化が遅れているというのではありません。 それは文字の文化とはまったくと言っていいほど違う文化なのです。 そして「書く」ということは、意識を内面に向かわせます。 話す=声の文化は、相手なくして成立しませんが、 書く=文字の文化は、自分との対話であり、内面を取り出す作業です。 本書でも触れられていますが、聖アウグスティヌスが『告白』を書き綴ったことが思い出されます。その意味は私たちが感じる以上に重いものだったのではないでしょうか。 もしかしたら、文字を知らない文化では「自己」という意識も希薄だったのかもしれません。 書くことの内面化が自己意識を増幅させてきたのだとしたら、じゃあ現在は・・・。 訳文がわかりやすく文章的には読みやすいです(苦労の跡は見られますが)。 が、その読みやすさとは裏腹に、非常に大きな問題を扱っていると思います。 読んでよかったです。
6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
声と文字の文化から、意識の進化を探る。,
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レビュー対象商品: 声の文化と文字の文化 (単行本)
フランソワ・トリュフォー監督(1932〜1984)のSF映画「華氏451度」(1966年)で、本の所持と読書が禁じられた世界で、発見された本を燃やして処分する職業がファイアマンという物語から、「文字」に対する意識が高まった。映画「華氏451度」をビデオで見た頃、ウォルター・J・オング(1912年生まれ)著『声の文化と文字の文化』に出合った。 「声の文化と文字の文化」に、どんな違いがあり、それぞれの作用があるのだろうか? p76 知っているというのは、思い出せるということ 記憶術のきまり文句 声の文化においては、ことばは音声にかぎられる。このことは、[そうした文化における]表現の様式ばかりでなく思考過程をも決定している。知っているというのは、思い出せるということである。 「第四章 書くことは意識の構造を変える」は、特に重要である。 p166 読み書きが身にしみついた人間とは、たんに生まれながらの力ではなく、書くという技術によって直接ないし間接的に構造化された力から思考過程が生じているような人間のことである。(中略)どんな発明にもまして、書くことは、人間の意識をつくりかえてしまった。 p363 書くことは、[他人とはちがう]自分自身という感覚を強めることにより、人びとのあいだのいっそう意識的な相互作用をはぐぐむのである。書くことは意識を[一段高く]ひきあげる。 コミュニケーションとしての会話、グーテンベルグが発明した活版印刷技術による本の登場から読む時代へ、そして「書くことが意識を高めてくれる」ことを、高度な見識で考察された本書である。
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