テレビ番組の「うちくる?」のゲストに福澤氏が出演していて、アナウンサーとしてのプロフェッショナルな部分の話が面白かったので手に取ってみた。
テレビでも紹介していた「滑舌棒」、自分のいちばんよい声がでる「声のスイートスポット」の探し方、表情筋を鍛える「梅干しの顔」と「ひまわりの顔」、発声を明るくする「劇団式発声法」など、一日5分でできるトレーニング方法が具体的に紹介されていて実用的だ。
ただ本書全体のトーンは、声のトレーニングよりもむしろ、言葉の選び方、よりよく伝える方法(ジェスチャ、テンションの上げ方等)のほうに重点が置かれていて、福澤流コミュニケーション論といったほうがふさわしい。なにより、頭の中だけで組立てた思考ではなく、心と体を震わせ声を出し続けて体得した論考である点が良い。一芸を磨き抜いた人物の著作として、一読に値すると思う。