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声と現象 (ちくま学芸文庫)
 
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声と現象 (ちくま学芸文庫) [文庫]

ジャック・デリダ , 林 好雄
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

デリダは、フッサールを読むことによって、「読む」とは何か、「書く」とは何かを根底的に考え直した。本書は、フッサールの『論理学研究』(『認識の現象学と認識論のための諸研究』)の第一部「表現と意味」の驚嘆すべき綿密な読解を通して、現象学的批判という方法が「形而上学的企てそのもの」だということを暴き出す。その困難な作業のなかから、「脱構築」「痕跡」「差延」「代補」「エクリチュール」…といった魅力的な「操作子」(言葉でも概念でもない脱構築の道具)が産み出された。後に「たぶん最も愛着を覚えている詩論だ」とデリダ自身が言っているその代表作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

デリダ,ジャック
1930‐2004年。アルジェリア生まれ。エコール・ノルマル卒業。西洋形而上学のロゴス中心主義の脱構築を企てた哲学者

林 好雄
1952年生まれ。東京大学仏文科卒業。駿河台大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 334ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2005/6/8)
  • ISBN-10: 4480089225
  • ISBN-13: 978-4480089229
  • 発売日: 2005/6/8
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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By ジョン・ドゥ 殿堂入りレビュアー トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
デリダの『声と現象』は、すでに古典的名著としての地位を獲得している。
そして、現代のフッサール解釈はこの本が出発点になっているような向きもあるのは事実だ。
デリダの文章というのは「難解」で有名であるが、フッサールも別の意味で文章を読み取るのに骨が折れる。
デリダ自身もこの本に愛着を感じているように、ある意味デリダ思想が象徴的に垣間見える重要な本であると私も思う。
しかし、デリディアンがこの本を賞賛するようには、どうしても私には手放しの賞賛ができない。
何が原因か?
私にとって、デリダの師匠であるフッサール理解とその批判を展開している内容自体は、非常に読み応えがあり、デリダ自身の思想的基礎も分かるので実に有益な本であるとは思うのだが、そもそものところ、本書で書かれているような「フッサール」というのは存在しているのだろうか。
「私にとってのフッサール」は現前の形而上学などではなく、絶対的な「真理」を仮想しながら、それを追っていくというような思考をフッサールはしていないと思う。
フッサールの著作は難解であるし、何か「真理」のようなものを前提にして思想を展開しているように受け取られる下りは確かに見受けられるのだが、それはそういう「誤解」を招くような「表現」があるのであって、フッサール自身の思想はもっと「自由」なものであると、私は思っている。
そうなると、ここで、このフッサール理解の「出発点」から、そもそも私とデリダの見方は全く180度くい違ってしまう。
フッサールはそれまでの形而上学を超える視点を持った「自由」で「根源的」な思考方法であったからこそ、あのハイデガーの『存在と時間』に対して賛成しない立場をとったのだと思う。
まあ、ハイデガーについてはデリダも別の著作で批判しているので、ハイデガーについてはここまでにしておこう。

要するに私の意見としては、「そもそものフッサール理解が間違っている」ということだ。
だが、だからといって『声と現象』は駄目な本には決してなっていない。それはデリダが世にはびこってきた「現前の形而上学」という遺物から抜け出ようという大きな話を中心として論を展開しているからだ。
そういう意味では、ソール・A・クリプキの名著『ウィトゲンシュタインのパラドックス』と立場が似ているようにも思える。
クリプキも『ウィトゲンシュタインのパラドックス』で展開している考え方は、ウィトゲンシュタインの言説を巡って展開されてはいるが、多くの学者から指摘されているように、ウィトゲンシュタインはそういうことは言ってはいないのだ。しかし、名著足り得ている。

実はここまで私が書いてきたことは、ことデリダの思想を理解する上では非常に重要なことで、「出発点理解を捩じ曲げる」というのは、デリダが以降ずっと続けていった最重要な「エクリチュールの手法」であったということだ。
本書のあとに出された『グラマトロジーについて』もソシュールの誤解釈(パロール中心主義)による賜物であるし、『有限責任会社』にいたってはオースティンの言語行為論をこれまたご解釈というよりも、完全に意図的にすり替えて(バンヴェニスト著『一般言語学の諸問題』収録論文におけるオースティンをテーマにした論文をオースティン自身の論文としてすり替えた)、ジョン・サールとの論戦を誘発させて本を一冊作ってしまうという、実にあざやかな執筆手法も披露している。にもかかわらず、『グラマトロジーについて』も『有限責任会社』も非常に有益な本である。
こういうことが分かっていれば、よりデリダの「エクリチュール」と上手く、興味深く付き合えるものと、私には思えますが・・・。
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35 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
林好雄訳『声と現象』は、日本語がこなれており、訳注が非常に充実している。現象学に即した解説は特に裴益するところが大きい。デリダのテキストを読むことはかなりの難業であるが、その労苦を相当減じてくれる訳書であると言いうる。さて、すでに、高橋允昭訳『声と現象』が、原著の出版後わずか3年の1970年に出されているが、林訳は、高橋訳の不足を――高橋訳に不足があればの話だが――補ったのであろうか。実は、最初の1ページから、高橋訳と林訳の間には、語学的な解釈の違いが存在している。林訳が「志向的あるいはノエマ的意味という概念」としたところは、高橋訳では「志向的ないしノエマ的な方向の諸概念」となっている。原文を見るかぎり、30数年前の高橋訳が正しいようだ。新しいものが常にいいとは限らない。
このレビューは参考になりましたか?
23 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By いほ
形式:文庫
これは「素」のデリダです。パフォーマーとしてのデリダ以前の「素」。

ゆっくり丹念に読むと、彼の「鬼面人を驚かす」様々な操作子がどうつくられていったかが、よく分かります。

その意味で、寝ながら読める文庫になったのは、大変貴重です。

ありがとう、ちくまさん、はやしさん。
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