火坂雅志の短編集。全14編で構成されており、半日で読み終わってしまった。
石田光成や蒲生氏郷などメジャーな武将も登場するが、各話の主人公の大半は、名前を聞いたことがあるかなという程度のマイナーな武将達。しかしながら綺麗な構成で短編集の持ち味を十分に発揮しており、戦国マニアでもそうでもない人でも楽しめる内容となっている。
難があるとすれば、やや濡れ場のシーンが多い点である。これは作者の好みであろうが、話毎にそのような描写が連発してくるのには苦笑を禁じえない。だが別段この本への評価に大きくマイナスとなるほどではないし、この手の描写も作者が好きなだけあって上手なので、濡れ場を毛嫌いするような人でないのなら問題はないと考える。個人的には、むしろあったほうが面白いと思わないでもない。
武将たちの生き様に、様々な逸話や色恋を絡めた良作である。特に第1編の「うずくまる」と最終編の「老将」は素晴らしい。ぜひ一冊は持って置いておきたい作品。