ベトナム戦争に反対し、カナダへ移住した反骨の思想家ジェイン・ジェイコブズの遺作。
原題は、「Dark Age Ahead」(迫りくる暗黒時代)であり、こちらの方がしっくりくる。
ジャレド・ダイアモンドによる名作「銃・病原菌・鉄」から、ヨーロッパ史の中のローマ時代に続く暗黒時代を例に、今の現代アメリカのおかれた状況から、世界は暗黒時代に向かっていると予言する。
「家族は崩壊する」「資格崇拝と腐った大学」「放棄されたサイエンス」「いい加減な課税システム」「自己管理できないエリートたち」「スプロール化から悪循環へ」という、著者独特の切り口から、現代文明のそこここに現れている危機を述べている。
また、本書が書かれた2004年という早くから、アメリカの住宅バブルを指摘しているところなど、本書は多くの示唆に富んでいる。
それにしても、著者がはじめに記載している「文明とは印刷やインターネットで伝えられるのではない。口伝えで、生きて伝えられていく。」という言葉は、85歳だからこそ言える重い言葉だ。