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壁抜け男 (異色作家短篇集)
 
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壁抜け男 (異色作家短篇集) [単行本]

マルセル エイメ , Marcel Aym´e , 中村 真一郎
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,100 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ある日突然、壁を抜ける能力を手に入れた、登録省の役人デュティユル。彼は新しい上司と手紙の書き方をめぐって対立する。屈辱的な扱いを受けたことを恨んだデュティユルが、壁から頭を出してその上司を罵ると、混乱した上司は精神病院に入院してしまう。この件をきっかけに、パリの街に次々と奇妙な事件を巻き起こしていくデュティユル。しかし壁をすり抜け続けていく彼の行く手には、思わぬ落とし穴が待ちかまえていた…。奇抜で幻想的な世界に、人間の優しさと悲哀、そして残酷さを巧みに描いた、鬼才エイメの珠玉の作品集。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

エイメ,マルセル
1902‐1967。フランス、ブルゴーニュ地方ヨンヌ県ジョアニー生まれ。20歳でパリに出て、さまざまな職業を経験。1933年の『緑の牝馬』が映画化され決定的な名声を得た。その後は、作家として、また劇作家として高く評価された

中村 真一郎
1918‐1997。東京で生まれ、静岡県で育つ。東京帝国大学仏文科卒。戦後文学の旗手の一人として活躍する一方、海外ミステリへの造詣も深く『深夜の散歩』(福永武彦・丸谷才一と共著)を著しまた映画「モスラ」の原作者としても知られる。毎日出版文化賞、谷崎潤一郎賞、読売文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 268ページ
  • 出版社: 早川書房 (2007/01)
  • ISBN-10: 4152087862
  • ISBN-13: 978-4152087867
  • 発売日: 2007/01
  • 商品の寸法: 18.5 x 11.8 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 夢追人009 トップ500レビュアー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
フランスを代表する幻想作家エイメの代表作を納めた傑作集。童話作家シャルル・ペローに傾倒した事で、彼は大きな影響を受けます。幻想作家とは言っても、おどろおどろしい怪奇の味は全く無くて、人々に夢と希望を与える愛すべき作風と言えます。本書に納められた作品の大部分が、冒頭で退屈な日常に倦み疲れた主人公が、ある日突然に魅力的な能力を獲得するといった導入部となっています。

表題作『壁抜け男』:壁を通り抜けられる事に気付いた男は、嫌いな会社の上司を驚かせて悦に入り、銀行強盗になり〈狼男〉と名乗って世間の注目を集めます。悪気はないのですが調子に乗り過ぎた男に、やがて悲しい結末が訪れます。
『サビーヌたち』:自分の分身を作れる才能を持つ女性サビーヌが、夫を持つ身でありながら、ふと或る青年に恋をしてしまった事から展開していく奇想天外な物語。
『七里の靴』:全編中最も童話に近い作品で、貧しい母と息子が奇妙な古道具屋で見つけた、履くと一跳びで七里行く事が出来るという靴を手に入れるまでを描く。息子は物語の途中で靴を使って盗みを働こうと夢想しますが、実際に夢が叶った時に、かけがえない善意の贈り物を与えられるのが、ほっとして一際感動的です。
『パリ横断』:この作品のみ他とは別の設定で、現実の戦時下のパリで若者たちに起こった悲劇を扱っています。厳しくて苦い結末で、戦争の最中では恐らく起こったであろうと思わせるリアリティを感じさせられ、実人生の不可解さに迫る出色の出来です。

全七篇、作者の描く特異な世界にぐいぐいと惹き込まれ、暫し夢に酔って心地良い時間を過ごさせてくれる至福の一冊です。
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 モンマルトルに住み登記庁に勤めるデュチユールは、壁を通りぬけられる才能を持っていました。彼は怪盗「狼男」としてパリを騒がせますが、ある日恋に落ちます。嫉妬深い夫に厳重に閉じ込められているブロンド美人ですが、もちろん塀も鍵も「狼男」の前には障害ではありません。しかしある日彼に頭痛が……(『壁抜け男』)

 本当に奇妙な味の短編ですが、これは戯曲になってます(劇団四季がやっているのを、広告で見たことがあります。残念ながら舞台は未見)。この奇妙でストレートなお話を、どうやって舞台に持っていったのか、そちらにも興味がひかれます。

 同時存在(つまりは分身の術?)ができる女性(『サビーヌたち』)、ぶどう酒嫌いのぶどう作りとぶどう酒好きだが飲めない男(『パリのぶどう酒』)など、ヘンテコな人がまず登場し、でもその後の展開はきわめて“まっとう”という短編が続きます。だけど、最後の『七里の靴』。これは、もしブラッドベリが戦争中のパリにいたら書いたかもしれない、といった雰囲気の作品です。金を持っている家庭の子どもたちはその靴が手に入らないのに、貧乏なシングルマザーの子どもはその靴を履き、地球の果てで太陽の光をつかんで乙女座の糸で結わえる。このリリカルな光景を見た後で最後の一文を読むと、不思議で静かな感動がわき上がります。

 本書に収載されている七作はどれも1943年または1947年に発表された作品ですが……いやあ、ドイツによる占領や食糧不足が、このような形に“昇華”させられるとは、マルセル・エイメはまったくただ者ではありません。
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
世界の広がり 2002/4/24
形式:文庫
マルセル・エイメの作品は、世界の広さを感じさせてくれます。

もし、自分がこうであったら。もし、自分にこういうことが起きたら・・。普段私たちが日常の中で考える空想を、エイメが小説にしてくれています。ありふれた日常が、もし違う世界に変わってくれたら?幸福になれるのか、それともありふれた生活が一番だと思うのか。それは読んだ人だけが感じることが出来る不思議な感覚。ぜひ読んでみてください!

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