私は西谷先生のことを知りませんでしたので、書店でこの本の表紙を最初に見かけたときに、「なんかラルクのkenちゃんみたいな雰囲気の人だなあ」と思って手に取って購入したのですが、帰宅してから一気に最後まで読んでしまいました。
私は受験生ではないので、そういう意味での刺激は受けなかったのですが、西谷先生もおっしゃるとおり、壁を越える技術は受験でも社会生活でも同じだなあと確かに思いました。先生が一人の生徒を相手に授業をすることも大勢を相手にすることも同じというのも、ひとりのお客様を大切にする気持ちが他の多くのお客様にも通じることだと私なりにも実感しました。
壁を目の前にすると、やっぱり自分には越えられない壁なのかなと思って、あきらめて絶望的になって逃げ道を探したり、壁を壁と思わないように自分をごまかすようにしたりすることもある私にとっては、壁は乗り越えられるから目の前に出てきたもの、壁とかスランプを意識しただけで半分は越えたも同然というような西谷先生の言葉は、よくあるような自己啓発本よりも素朴でリアルで、上から目線ではなくて、とても地味ながら説得力が感じられました。
この本は、結局何が言いたいのかとか、要点は何かということよりも、本を通じて西谷先生と少し会ってお話を聞いて、西谷先生の目に見えないオーラを感じ取ったような人生経験みたいなものとして、本でない本というか、西谷先生の分身みたいなもののように感じました。
予備校生って、つまり浪人生って、このような先生に出会えることは、現役合格の人には味わえないような有意義な体験ができるんだなあとも思いました。
とても素直で、ちょっぴり痛々しくって(先生の自叙伝の部分)、でも心に残る本だと思いました。