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28 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
簡潔,
By タック (神奈川県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 墨攻 (新潮文庫) (文庫)
本書は短い。 こんな薄さで何を描けるのかと思いながら手に取ったが、内容は思いのほか濃かった。 人物や展開する事象の描写は簡潔、しかし読者の想像を十分に喚起する。 読者との距離を縮め過ぎず、緊張感を保ったまま展開し、あっ、という幕切れ。 あざやか。風格を感じさせる珠玉作。 墨家という中国史に置ける奇形集団を知るにはもちろんよいが、 一人で八面六臂の活躍をするヒーローの話としても無理なく読める。 読書に慣れた人なら本書を楽しみながらもあっと言う間に消化してしまうだろう。 それだけが残念である。
26 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
本は薄いが、内容は濃い,
By
レビュー対象商品: 墨攻 (新潮文庫) (文庫)
酒見賢一先生の単行本の中では、一番薄い本です。春秋戦国のある小さな国が大国に攻め込まれた時の物語です。 壮大な歴史小説では1行で語られるような、小さな戦争です。 職人的な主人公が淡々と活躍していく様は、 読んでいて物語に引き込まれると思います。 意外な題材で、力強い物語を紡ぎだしてくれています。
20 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
読み手を圧倒する迫力の「大」短編小説,
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レビュー対象商品: 墨攻 (新潮文庫) (文庫)
「非攻・兼愛」の信条に則って「万人に対する愛」を説き、争いのない世界を理想とする『墨家』。それだけならただの理想家たちの話で終わるのですが、本作の一種異様な魅力は、 墨家を思想団体としては異色の、理想のために戦う「傭兵集団」として描いたことにあります。 思想家と言うよりも技術者の集まりのような印象、 自衛のために敵を殺し、城を守るために時には市民でさえも処罰し犠牲にする冷酷さ、 戦争の技術を日々磨き上げ、多くの場合無償で、率先して陣頭に立つという異様さ。 人を守るために人を殺す姿は、現代にも通じる矛盾ですが、 この理想と現実のギャップが本作を貫くテーマであり、他に替え難い魅力となっています。 また、作中に登場する防御法は実際に墨家が用いたものですが、 その巧妙さは物語の中でも存分に発揮され、息をつかせぬ話の展開を彩ります。 墨家の抱える矛盾を現代に置き換え、深く考えるも良し。 作中に繰り広げられる2000年前の戦術を純粋に楽しむも良し。 150ページに満たない分量で、読み手を圧倒する勢いがあります。 意外な幕切れまで一気に読み通せる「一大」短編小説、 歴史小説や軍記ものが好きな方には特にお薦めです。
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