リリー・フランキー周辺の人の名言が40ほど集められている。イラストもついて、お得です。
<「人間は考える葦である」
とか日常生活の中で言い出す人など、本当はいないのでして、そんないかにも名言めいたことを言ったりする人は、たいがいアホか口の臭いオッサンなので、どーでもいい。
[…]
名言とは哲学者や文学者の机の上に飾られているモノではなく、僕らの足元に転がっているモノです。>
と、前書きは立派だが、筆者はやっぱりリリー・フランキーで、読者の期待を裏切らず下ネタとお下劣ネタを、鋭い切り口と軽妙なテンポで紹介していく。それでも、妙な清涼感がある。
<人間は常にエロ話をしたがっている。
逆に言えば、エロ話こそが人間の会話の中でもっとも利害のないトークであり、心と心を結ぶ、暖のあるコミュニケーションなのである。
[…]
心の淋しい人間はエロ話を嫌う。
そして、そんな人間は他人からエロ話をされることがない。ココを勘違いしてはいけない。それは君が上品な人間だと思われているからではなく、他人に遠慮されているからなのだ。他人が心を開いてくれないからなのである。
「いいオッパイしてんねえ」という言葉よりも、「君の瞳はマンハッタンの夜景のように美しい」のほうに真実と誠意を感じるという人間。
我々人間研究家筋では、そんな人間こそを「下品な人間」「センスのない人間」と呼んでいる。>
オッパイとマンハッタンの話はかなり自分勝手だと思うが、要するにリリー・フランキーは、適当に書き散らかしているようで、何が下品で何が上品か、もうちょっと言えば、何が美しくて何が醜いかということにとても意識的であって、それが文章に清涼感を漂わせて心地よいのだ。それが小学生レベルのうんこの話でも。
清涼感のあるエロ話のできる人になりたいと思う。